マー君 劇勝呼ぶ13K チームが「勝つことに意味がある」

[ 2012年9月25日 06:00 ]

<楽・ソ>延長10回1死一塁、松井がサヨナラホームランを放った瞬間にベンチから飛び出す楽天・田中

パ・リーグ 楽天3-1ソフトバンク

(9月24日 Kスタ宮城)
 その目で、サヨナラ本塁打の打球は見届けられなかった。それでも、楽天・田中は満面の笑みでグラウンドに飛び出した。

 「ベンチでボールが見えないところだったので…。みんなが“オーッ”と言ったので、“やったぁ”と思った」

 勝利投手にはなれなかったが、9回120球、今季最多タイの13三振を奪って1失点の熱投が劇的な勝利を呼び込んだ。

 「きょうの相手にはチームがずっとやられていた」。摂津とのエース対決。しかも相手は今季楽天戦4戦4勝だった。雨天中止となった前日からのスライド、さらに再びの降雨と難しい条件の中でも、一歩も引くわけにはいかなかった。

 2回に2死から下位打線に3連打を浴びて、1点を失う。しかし、ここからギアを上げて、3回以降は得点を与えなかった。ここ5試合は44回を投げて自責4で、防御率0・82。打線の援護に恵まれず、この間は2勝しか挙げられていないが「きょうは(チームが)勝つことに意味がある」と言い切った。

 残り12試合。逆転でのCS進出に望みをつないだ。「これで(チームに)勢いが出なければウソでしょう。この勝ちで波に乗っていかないといけない」と田中。自身の残りの登板機会は多くて2度で、現在8勝の右腕にとって、4年連続の2桁勝利は微妙な状況だが、「とにかくチームの勝ちにつなげられる投球をすることが自分の仕事」。終盤に凄みを増してきた絶対エース。自らの登板試合でチームが勝つことが奇跡への絶対条件だ。

 ▼楽天・田淵ヘッドコーチ(66歳の誕生日に劇的勝利)俺の誕生日、あんまり負けないんだよ。主将がよく打ってくれた。

 ▼楽天・青山(5勝目)全力で打ち取ることを考えた。チームに勢いがつくと思う。

 ≪パ現役単独最多≫田中(楽)が9回1失点で、今季自己最多タイの13奪三振。今季161奪三振とし、吉川(日)の151を抜いてリーグトップ。2桁奪三振は通算33度目で、西口(西)の32度を抜きパの現役では単独最多となった。田中は6月22日ロッテ戦の6回サブローに本塁打を浴びて以降、93イニング連続で本塁打を許していない。11年8月7日の日本ハム戦の6回からシーズン終了までの89イニングを抜き、連続被本塁打なしの自己最長記録を更新した。

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2012年9月25日のニュース