花巻東・大谷はサイ・ヤング賞左腕級!ド軍GM補佐が絶賛

[ 2012年9月21日 06:00 ]

グラウンド周りをランニングする花巻東・大谷

 花巻東の160キロ右腕・大谷翔平投手(3年)の獲得に動いているドジャースのローガン・ホワイトGM補佐(50)が20日、同校を訪れ佐々木洋監督(37)に獲得の意思を伝えた。大谷は授業中のために不在だったが、日米球団のトップを切って熱意を伝え、育成プログラムなどについての説明を行った。同GMは大谷について昨年サイ・ヤング賞を獲得したド軍のクレイトン・カーショー投手(24)と同等の能力があるとし、本気度をうかがわせた。

 大谷に対するドジャースの評価は、サイ・ヤング級だった。前日に来日したホワイトGM補佐は、エーシー興梠(こおろぎ)アジア部長、小島圭市極東担当スカウトを伴って午後1時前に花巻東に到着。1時間40分にわたって佐々木監督と面談後、その口からビッグネームが飛び出した。

 「ドジャースがどのように考えているかを話した。カーショーは18歳で契約し、20歳でメジャーに上がった。大谷も早く上がっていく能力がある。世界でもトッププレーヤーだと思っている」

 カーショーは、昨年のサイ・ヤング賞に輝いたメジャー屈指の好投手。そのカーショーと大谷を同等に評価したのには、しっかりとした裏付けがある。小島スカウトは1年時から、ほぼ全試合の登板を視察。ホワイトGM補佐は今年3月に大阪での練習試合に足を運び、自らの目でも投球をチェックしていた。「サイズも大きいし、肩や腕も柔らかい。ファストボールにもスピードがある。投球に関しての感覚を持っている」と、密着マークをした上で結論を出し、獲得に動いた。

 ド軍は国際部門のスカウティングを強化し、世界戦略で選手を獲得してきた。メジャー30球団でも屈指の育成プログラムを持ち、カーショーのほか、本塁打、打点の2冠王となったケンプら、段階を踏んだ育成システムでメジャーを代表する選手を生んでいる。アジアの選手に関してはマイナー選手でも通訳を2年間つけ、語学や生活のサポートにも力を入れている。同GM補佐は「育成には自信を持っている。若い投手を活躍させるのはドジャースがトップだと思う。ぜひ来てほしい」とアピールした。

 花巻東サイドは国内球団から届いた調査書を提出後に、メジャー球団との面談に臨むことを決めている。この日の訪問はプロ志望届を提出する以前から決まっていたため大谷は同席しなかったが、 今後はドジャースを含めメジャー球団との面談にも臨む予定。同GM補佐は「獲得できるなら毎日でも足を運ぶ」 とまで話した。大谷の下す結論は果たして。日米争奪戦がいよいよ幕を開けた。

 【カーショーという男】

 ☆生まれ&サイズ 1988年3月19日、テキサス州生まれの24歳。1メートル91、100キロ。左投げ左打ち。背番号22。

 ☆プロ入り&初登板 06年ドラフト1巡目(全体7番目)指名でド軍入りし、20歳の08年5月20日にメジャー初登板。

 ☆ブレーク メジャー3年目の10年に初の2桁となる13勝(10敗)。昨季は21勝(5敗)、防御率2.28、248奪三振で投手部門3冠、サイ・ヤング賞に輝く。

 ☆スタイル 150キロ台の直球とカーブ、スライダー、チェンジアップなどが武器の本格派。黒田(現ヤンキース)と親しく、昨年まではキャッチボール相手で握りなどを教え合っていた。

 ☆今季成績 12勝9敗、防御率2.70でリーグトップの206奪三振。今季年俸は750万ドル(約5億8500万円)。

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