阪神来季は平田2軍監督 1軍打撃コーチに水谷氏招へい

[ 2012年9月18日 06:00 ]

4月7日の阪神・巨人戦の試合前に和田監督(右)と話す平田氏

 阪神が、来季2軍監督として1軍ヘッドコーチ、2軍監督などを歴任したOBの平田勝男氏(53=スポニチ本紙評論家)を招へいすることが17日、分かった。主力選手の高齢化でチームは変革期にあり、若手育成の主戦場となる2軍の指導力強化が急務。2010年まで4年間にわたって2軍を率いた実績を持つ平田氏に、「再登板」を要請した。既に就任要請を行い、前向きな回答を得ている。吉竹春樹現2軍監督(51)については1軍守備走塁担当、三塁ベースコーチとしての起用が検討されている。

 阪神はチーム再建に向けて、次代の選手を育てるファームの整備を本格化させる。南信男球団社長は6月に「ドラフトで指名獲得した選手を育てていくことがチームづくりの王道です」と発言。その中で、中村勝広ゼネラルマネジャー(GM)も就任翌日の今月7日から2軍の鳴尾浜球場を積極的に視察し、若手の底上げについては「今後の教育、指導」と話してきた。

 平田氏は1994年の現役引退後、97年からコーチとして古巣に復帰。2002年からの2年間は星野監督(現楽天監督)の専属広報に就く異例の転身で、猛虎を復活させた闘将の手腕に間近で接した。04年からは岡田監督(現オリックス監督)をヘッドコーチとして支え、06年秋からは2軍監督に就任。早出練習や居残り練習を日課にするなど厳しい手法で若手指導に尽力し、当時1軍へ送り出した上本、大和は今季先発に定着した。

 平田氏退任後の2軍では球団主導で投球回数や打席数を選手に割り振る機会均等の方式で若手育成を進めたが、成果が挙がったとは言い難い。中村GMも選手をランク分けして重点強化する手法へ転換する意向で、平田氏の手腕が注目される。

 また、来季の1軍打撃コーチには水谷実雄氏(64)を招へいする。「熱血漢」として知られる水谷氏は阪神、広島など6球団で打撃コーチを務め、広島コーチ時代には金本、前田智、江藤ら多くの強打者を育てた実績がある。阪神では03年から4年間、打撃コーチを務めており、7年ぶりにタテジマのユニホームに袖を通すことになる。

 ◆平田 勝男(ひらた・かつお)1959年(昭34)7月31日生まれ、長崎県出身の53歳。長崎・海星から明大を経て81年ドラフト2位で阪神入団。83年に遊撃手に定着し、84年から4年連続でゴールデングラブ賞。94年引退。通算成績は979試合で打率.258、23本塁打、220打点。97年から阪神の内野守備コーチ、ヘッドコーチ、2軍監督を歴任し、10年シーズン後に退任。1メートル77、80キロ。右投げ右打ち。

 ◆水谷 実雄(みずたに・じつお)1947年(昭22)11月19日生まれ、宮崎県出身の64歳。宮崎商から65年ドラフト4位で広島入団。67年に投手から外野手に転向し、78年に打率.348で首位打者獲得。83年から阪急にトレード移籍して85年引退。通算成績は1729試合で打率.285、244本塁打、809打点。引退後はダイエー、中日、阪神などの打撃コーチを歴任。1メートル80、86キロ。右投げ右打ち。

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