巨人、余裕の1敗 捨て試合作らず若手投手起用で底上げ

[ 2012年9月6日 06:00 ]

<神・巨>3回1死一、二塁、味方のミスで1点を失った巨人・江柄子(左)

セ・リーグ 巨人0-6阪神

(9月5日 甲子園)
 余裕がなせる起用だ。巨人は今季10度目の零敗。6点差の敗戦は今季最大だったが、原監督には若手投手がマウンドで見せた戦いざまの方が重要だった。

 余裕がなせる起用だ。今季10度目の零敗。6点差の敗戦は今季最大だったが、原監督には若手投手がマウンドで見せた戦いざまの方が重要だった。

 「きょうは江柄子と小山の2人で行こうとね。僅差で何とか小山にと思っていた。もうちょっと、江柄子は越えないといけないものがありますね」

 3度目の先発で初勝利を目指した新人・江柄子は不運が重なった。3回1死一塁、村田が新井良の三ゴロをはじいて二、三塁。続くマートンの初球、今度は鳥谷の三盗の際に実松が悪送球し先制点を失った。3回2死二塁で降板。2失点も自責0だったが「鳥谷さんの時はそんなに警戒していなかった。やるべきことができなかった」と不用意に許した三盗を反省した。

 0―4の4回、原監督は、8月31日のDeNA戦(東京ドーム)で、7回無失点でプロ初勝利を挙げた小山を中4日で中継ぎ起用した。3回2安打2失点も最速150キロを計測した2年目右腕を原監督は「2点取られたけどよかった。最初は精度が悪かったけど球は強かった」と評価した。7日のヤクルト戦(神宮)で左肩違和感から杉内が復帰するが、この日、不振の沢村が出場選手登録抹消。先発のコマ不足の中で小山の起用は、原監督なりの若手投手2人への競争意識の注入だった。21年ぶりの阪神戦10連勝は消えたが、捨て試合にはしなかった。

 小山は11日からの広島3連戦(東京ドーム)での先発機会をゲット。一方の江柄子は6日から救援待機に回る。「あそこで代えられるのは信頼がないということ。情けないですね」。新人右腕が感じた悔しさは、中日が敗れたために17へと1つ減ったマジックと同じくらい価値があった。

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