米との交渉進展なしも…WBC参加へ、リミット寸前に事態急転のワケ

[ 2012年9月4日 08:05 ]

侍ジャパンのビジネス展開について語るNPBの国際関係委員長を務める日本ハム・島田球団代表

 来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への日本の参加が3日、濃厚となった。12球団は同日、都内で実行委員会を行い、日本代表「侍ジャパン」を利用したビジネス展開を目指す事業部局を日本野球機構(NPB)内に設置することを決定。4年40億円を超える収益が見込め、WBC不参加を表明した選手会が要求するスポンサー権に替わる財源が確保できる見込みだ。

 選手会は7月20日にWBC不参加を表明。その理由は日本からのスポンサー料やグッズ収入なども全て大会運営会社のWBCIに入る構造だった。そのため8月中旬に島田国際関係委員長らが渡米してWBCIと交渉したが、参加条件の見直しはしないことを通告された。ただ「侍ジャパン」独自のスポンサー権は認められたことから、12球団側は侍ジャパンを利用したビジネス展開を目指す事業部局の立ち上げを決めた。

 前回大会で日本企業がWBCIに支払ったスポンサー料は約9億円。「侍ジャパン」の収益はそれを大幅に上回る。その収益はアマチュアの支援など球界全体に行き渡る仕組みとなっており、日本代表チームを頂点とし、その下に12球団、そして少年野球までのピラミッドが確立することになる。それこそ選手会が望む球界のあり方だった。

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2012年9月4日のニュース