スミ1完封の摂津 決め球は「ボールに見えるストライク」

[ 2012年8月29日 06:00 ]

<ソ・オ>完封で13勝目を挙げたソフトバンク・摂津は笑顔を見せる

パ・リーグ ソフトバンク1-0オリックス

(8月28日 ヤフーD)
 初回の1点をソフトバンク・摂津は最後まで守り抜いた。しかも自身初の無四球完封。わずか2安打、28人で料理し、両リーグトップの13勝目を手にした右腕は「きょうみたいな投球は(チームを)引っ張れているのかなと思います」と淡々と振り返った。

 初回1死で手応えをつかんだ。川端の1ボール2ストライクからの4球目。外角低め直球はベースから外れたかに見えた。だが、嶋田球審の右手は上がった。「150キロを超える直球もない。ストライクゾーンで勝負できない。あそこは自分のバロメーター」。外角が広く使えることを確認すると、それ以降は水を得た魚のように凡打の山を築いた。

 持論がある。「自分はホームベースとバッターボックスのラインの間(15・24センチ)を狙います。逆にそこしか、狙わない。そこを通せば打者も球審の方も迷うと思う」。外角低めは基本だが、ベース上は通さない。直径約7センチの白球を針の穴を通すように投げ込むイメージだ。8回無死、T―岡田を外角高め140キロで見逃し三振。これも追求する「ボールに見えるストライク」だった。

 誰もが認めるエースに成長したが「杉内さんのように絶対的なものではない」と謙虚に語る。自身4連勝、厳しい夏場に22イニング連続無失点と調子も上がっている。「疲れたなんて言っていられない」。涼しい顔で二塁すら踏ませなかったエースを秋山監督も「何もない。完璧だった」と絶賛した。

 ≪07、08年の杉内以来≫摂津(ソ)が8月1日の楽天戦以来自身3度目の完封勝利。被安打2は完投試合自己最少で、無四死球試合は初めてだ。また、1―0完封は昨年6月5日の広島戦に次ぎ2度目になるが、チームで2年連続の1―0完封は07、08年の杉内(ソ=現巨人)以来。右投手では90、91年の村田勝喜(当時ダイエー)以来21年ぶりとなった。一方、決勝打は小久保の中安打。小久保の1―0勝利打点は12年ぶり3本目で「スミ1」決勝打は初めて。

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2012年8月29日のニュース