福井工大福井・菅原10K完投勝利!32年ぶり快挙

[ 2012年8月9日 06:00 ]

<常葉橘・福工大福井>10奪三振完投で夏の甲子園10年ぶりの勝利を演出した福井工大福井・菅原

第94回全国高等学校野球選手権大会 福井工大福井4-2常葉学園橘

(8月8日 甲子園)
 福井工大福井は常葉学園橘(静岡)を4―2で下し、菅原秀投手(3年)は、開幕戦では80年以来32年ぶりとなる、2桁奪三振での完投勝利を挙げた。

 福井工大福井のエース菅原が、開幕戦で5安打10奪三振の力投。開幕戦での2桁奪三振の完投勝利は、巨人などで活躍した中条善伸(東北)が80年に瓊浦(長崎)戦で記録して以来、32年ぶりの快挙となった。

 ベース上で鋭く曲がり落ちるナックルカーブを駆使した。人さし指をボールに対して立て、縦の前方回転を与える秘密兵器。「クリーンヒットされたことは一度もない」と言うほど自信を持つ。球速は110キロ台。この日、145キロを計測した直球と同じ腕の振りから繰り出したことで、相手のバットは空を切った。

 昨秋の福井大会後に、腰椎分離症と股関節痛に見舞われ約半年間戦列を離れた。その時期に、先輩に握り方を習い、復帰後に投げてみると「いける」と直感。大きな武器に育てあげた。ケガした当時は「歩くことも苦しかった。野球をやめようと思った」と振り返る。しかし母の文子さんから「一つの諦めは100回の後悔より劣るよ」と諭され発奮。3万円で購入したトレーニング機器で腹筋と背筋を鍛えながら甲子園での活躍を夢見てきた。福井工大福井は7月30日にしんがりで出場を決めたが、甲子園では最初に勝ち名乗りを上げた。

 ≪新潟明訓・小林幹は2桁奪三振も黒星≫福井工大福井の菅原が開幕戦の常葉学園橘戦で10奪三振の完投勝利。夏の開幕戦での2桁奪三振完投は91年の新潟明訓・小林幹以来だが、小林幹はその試合で柳ケ浦に1―8で敗戦。2桁奪三振で完投勝利を挙げた投手は、80年の東北・中条が瓊浦相手に13奪三振で完封して以来、32年ぶり。ちなみに03年には桐生一が伊藤、藤田、小林の3投手の継投で神港学園から11三振を奪った例がある。

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2012年8月9日のニュース