広島で被爆者の張本さん 犠牲者に思いはせ始球式 

[ 2012年8月5日 19:12 ]

 広島の原爆の日を翌日に控えた5日、広島市出身の被爆者で野球解説者の張本勲さん(72)が、広島市南区のマツダスタジアムで行われたプロ野球の広島―阪神戦の始球式に登場した。

 マウンドから投じた1球は、ワンバウンドでキャッチャーミットに収まった。投球を終えた張本さんは「今があるのは犠牲になった人たちのおかげ」とボールに込めた思いを話した。

 幼少期に広島市の自宅で被爆した。「髪が長くてきれいだった」という姉は、変わり果てた姿で見つかった。自身もやけどがうつると差別を受けてきた。

 以前、テレビに映った若者が8月6日の意味を知らないと話していた姿に驚いた。「当時5歳だった自分は最後のメッセンジャーだと思っている。野球を通じて平和や核廃絶を訴えていきたい」と話した。

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2012年8月5日のニュース