捕手もうなった!摂津 地元秋田で“変身”10勝 

[ 2012年8月2日 06:00 ]

<楽・ソ>地元・秋田で力投するソフトバンク・摂津

パ・リーグ ソフトバンク3-0楽天

(8月1日 秋田)
 珍しく、感情を表に出した。9回2死二塁。ソフトバンク・摂津は140キロ直球で枡田から空振り三振を奪うと、マウンドで右拳をグッと握った。地元・秋田での今季初完封勝利。ヒーローインタビューでは、自身の声がかき消されるほどの大歓声を浴び、力強く言った。

 「故郷の応援が力になった。九州の地で頑張る秋田県人がいるので、応援よろしくお願いします」。昨年6月5日の広島戦(マツダ)以来、プロ2度目の完封劇。立ち上がりこそ制球を乱したものの、2回以降は普段の摂津に戻った。終盤になっても乱れることはなく、8回から球を受けた細川も「直球のコントロールが良かった。あんな球、いつ以来かな」と目を丸くしたほどだった。

 「修正した」。摂津は簡単に振り返るが、その修正能力がエースに成長させたのだ。地元の秋田経法大付(現明桜)を経て、仙台市に本拠を置くJR東日本東北入り。そこでの8年間は毎日100球以上投げた。疲労などその日の体調に合わせ、グラブの位置や足幅を自在に変える技術がある。「東北」で培った引き出しは2年連続の2桁、リーグトップタイの10勝目を引き寄せた。

 31日に秋田入りした摂津は市内の実家に寄った。母・武子さん(56)の作ったとんかつをほおばり、英気を養う一方、父・肇さん(59)が勧めたビールは「登板の3日前から飲まないよ」と断り、地元でもルーティンを変えることはなかった。

 「故郷に錦を飾ったね」と秋山監督。8月反攻を狙うチームは4位に浮上。真夏の秋田でエースが見せた底力だった。

 ▼楽天・大久保打撃コーチ(摂津について)きょうは完璧だった。初回にいけるかな、と思ったけど、2回以降は抜群に良くなった。次はやっつけたい。

続きを表示

2012年8月2日のニュース