5年ぶり制覇!桐光学園、2年生エース松井68K締め

[ 2012年7月30日 06:00 ]

<桐蔭学園・桐光学園>8回2死三塁、桐蔭学園・嵩を三振に斬り、ガッツポーズの桐光学園・松井

神奈川大会決勝 桐光学園11―4桐蔭学園

(7月29日 横浜)
 第94回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間、甲子園)の地方大会は8大会で決勝が行われ、神奈川では桐光学園のエース左腕・松井裕樹投手(2年)が15奪三振の快投で桐蔭学園を破り5年ぶり4度目の甲子園出場を決めた。30日は福井で決勝が行われ全49代表校が出そろう。
【29日の試合結果】

 2年生エースの松井が投じた151球目。119キロのカーブで15個目の三振を奪い、雄叫びを上げた。「神奈川のドクターK」は、歓喜の輪で俳優・森山未來似の表情を崩した。

 「気力だけで投げました。去年は途中で降板していたので、完投できて良かった」

 2回に2点を先制されたが、味方がすぐに逆転。8安打を許したが4失点で最後まで踏ん張った。昨夏の横浜との決勝では1年生ながら先発を任された。だが、5回途中1失点で降板し、チームもサヨナラ負け。スタミナ強化のため、週3日、200球を超える投げ込みを行ってきた。「疲れは残っていた」と言いながらも、今夏は準々決勝から3連続完投するなど、6試合で713球を投げ抜いた。

 高校入学後に多種多様の握りを模索し、カーブのように大きな縦変化をみせるスライダー。この日も最大の武器だった。準々決勝で対戦した横浜の渡辺元智監督が「あのスライダーは分かっていても打てない」と評するほどの切れ。今大会は6試合46回1/3で68K。奪三振率は13・21をマークした。「ピンチではバットに当てられるよりもリスクが少ないので三振を狙っています」。追い込んでからは三振にこだわってきた。

 憧れの投手は巨人・杉内。力を抜いたフォームからリリース時に力を入れることを意識してきた。6回からはセットポジションに替え、杉内のような脱力投法で昨夏の無念を晴らした。

 6回の打席では右足首に死球を受けた。チームメートに支えられながら一時ベンチに下がったが、アイシング治療だけでマウンドに戻り、7回も先頭打者からいきなり三振を奪った。

 チームは5年ぶりの甲子園。松井は「(神奈川大会で敗れた)189校の思いを背負って、全国制覇を目指して戦ってきます」と高らかに宣言した。

 ◆桐光学園(神奈川)サッカー部も強豪。横浜・中村俊輔らがOB。

 ◆松井 裕樹(まつい・ゆうき)1995年(平7)10月30日、神奈川県生まれの16歳。小2から野球を始め、山内中では青葉緑東シニアに所属し3年時に全国大会優勝。桐光学園では1年夏からベンチ入りし、同年秋からエース。1メートル74、74キロ。左投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2012年7月30日のニュース