アスレチックスが松井調査 マイナー契約で再獲得も

[ 2012年7月28日 06:00 ]

アスレチックス時代にはメルビン監督(右)の信頼を得ていた松井

 レイズから戦力外を通告された松井秀喜外野手(38)に対し、昨季所属したアスレチックスが獲得へ調査を開始していることが26日(日本時間27日)、分かった。FAとなった後のマイナー契約を前提とした調査だが、ア軍のボブ・メルビン監督(50)は実力を高く評価。ここにきての快進撃でベテラン打者を必要としており球団の負担が少ないマイナー契約で獲得する可能性が浮上した。

 今後の去就を熟慮している松井に、古巣が手を差し伸べるかもしれない。アスレチックス関係者は、この日「マツイの動向には今後、注目していきたい。実績があり、評価に値する選手であることは間違いない」と話した。

 チームの移転構想にかかる費用の問題もあり、ア軍はオフに松井を含む主力選手を大量放出した。今季は若手中心のメンバーが成長し、7月は16勝3敗の快進撃。首位レンジャーズに5・5ゲーム差の3位と迫り、逆転優勝やプレーオフ進出への夢が膨らんできた半面、ベテランの左打者が補強ポイントとなった。そこで候補に挙がるのが松井だ。

 昨年、ビリー・ビーンGMは「後半戦は本来の姿を示した」と、球宴以降に打率・316を記録した夏男・松井を評価。さらに、昨季途中から指揮を執ったボブ・メルビン監督(当時は監督代行)の存在が大きい。松井とは厚い信頼関係を築き、昨季終了時には「来年も一緒にやりたい」と切望。オフには互いに自宅のあるニューヨークで、すしとイタリアンで2度会食したほどの間柄だ。

 各球団ともメジャー契約で獲得する可能性は極めて低い。だが、自由契約によりFAとなった後のマイナー契約であれば数十万ドルの負担で済み、メジャーに昇格した場合は、48万ドル(約3740万円)の最低年俸を日割りで支給。最初はマイナー契約なだけに獲得時にメジャー40人枠を空ける必要もなく、低リスクで戦力を確保できる。松井にはレイズでのマイナー降格という道も残されているが、一度構想から外れており、他球団の方が昇格のチャンスは多い。

 トレード、自由契約、マイナー再契約などの処遇が決まる期限は、8月3日(日本時間4日)。最悪の場合、現役引退という選択肢もある。「時間をかけて考えたい」という松井の決断を、古巣も注視している。

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2012年7月28日のニュース