免許持ってないけど…ジャイアン赤川３回完全で車ゲット

賞品の車に乗りガッツポーズでご機嫌の赤川

オールスター第３戦 全セ２―６全パ

（7月23日 岩手県営）
　誰よりも本人がびっくりの快投劇だった。６回から全セの３番手で登板した赤川（ヤクルト）が３イニングを打者９人で封じる完全投球。３試合通じ夢や希望を与えた選手が対象となる「スカイアクティブ・テクノロジー賞」を受賞した。

　「免許持ってないんですよ。どうしよう。近いうちに取らないといけないですね」。賞品はマツダ３車種（デミオ、アクセラ、ＣＸ５）のうちから１台を選べるが、まだ寮生の２１歳はあどけなく笑った。開幕から先発ローテーション入りし前半戦で５勝をマーク。だが球宴初出場の知らせを宮崎県に住む父・典生さんに伝えても最初は信じてもらえなかったという。スライダーとツーシームを１球ずつ。それ以外は全て直球（２８球）という力勝負を挑み全パの並み居る強打者を斬った。

　試合前には同じ左腕の杉内と山口の巨人勢にチェンジアップの握りや投げ方などを教授してもらったという。チームでは最近３試合続けて３イニングＫＯを喫しており「これから練習して取り入れられたら。これをきっかけにチームでも頑張りたい」。若き左腕には、飛躍のきっかけとなる大きな夢舞台となった。

　≪３回パーフェクトは１６年ぶり１５回目≫６回から登板した赤川（ヤ）が３イニングをパーフェクト。球宴の３回完全投球は、９６年第２戦の伊良部（ロ）、斎藤雅（巨）以来１６年ぶり１５人目。チームでは前身球団も含め赤川が初めて。なお、全セの投手は第１戦の２回からこの日の２回まで１９イニング連続無失点。１球宴の連続イニング無失点としては５２年全パの２５イニングに次ぐ記録になった。