黒田 7回完封で日本人3人目のメジャー50勝目

[ 2012年7月20日 06:00 ]

<ヤンキース・ブルージェイズ>猛暑のニューヨークにもかかわらず。気迫の投球で7回を無失点だった黒田博樹(中)

ア・リーグ ヤンキース6-0ブルージェイズ

(7月18日 ニューヨーク)
 ヤンキースの黒田博樹投手(37)が18日(日本時間19日)、日本投手では野茂英雄、大家友和に次ぐ史上3人目となる大リーグ通算50勝を達成した。ブルージェイズ戦に先発登板し、7回を4安打無失点、無四球。試合は7回表終了で6―0の降雨コールドゲームとなり、自身4年ぶり3度目の完封で節目の白星を飾った。今季9勝目を挙げた右腕は自身の持つ日本人最年長先発記録も更新した。

 日本人3人目の大リーグ50勝到達。ただ、黒田は達成感など感じていなかった。「50勝するためにこちらに来たのではない。長くやっていれば結果的に数字はついてくる」と話した上で、「今はそれに浸っている余裕はない。また次の登板が来る。野球人生が終わってから、考えたい」と続けた。

 節目の勝利は強気の内角攻めでつかんだ。許した4安打のうち3本が詰まった当たりで、6回2死一塁からは今季25本塁打のエンカーナシオンを95マイル(約153キロ)の内角へのシンカーでバットを折った。「自分は横の揺さぶりの投手。内角を突かないとスライダーが生きない」。7回表終了で降雨コールドゲーム。メジャー1年目、ドジャース時代の08年7月7日ブレーブス戦以来、4年ぶりの完封勝利を飾った。今季デーゲームは4戦全勝で、30回を投げて無失点。35度近い気温にも「暑さは広島で経験している」と涼しい顔で言った。

 実は球宴が行われた10日、ヤンキースタジアムでのブルペン投球で腰を痛めた。「腰が抜けると思うほどだった」。治療の毎日。それでも後半戦開幕となった前回13日のエンゼルス戦で7回1/3を投げた。ようやくダッシュを再開できたのは前日の17日だ。ローテーションを守る責任感、それこそが黒田の野球哲学を支えている。

 「調子が悪いときにいかにゲームをつくるかが重要」。その信念を示す数字がある。先発の責任を果たしたといえるクオリティー・スタート(QS=6回以上自責3以下)はメジャー5年目で通算81試合目。日本人最多の123勝を挙げた野茂の5年目までの80試合を超えた。

 37歳159日での先発は自らの日本人最年長記録を更新した。勝利は未来ある若手投手の刺激になれば、と考えている。

 「(日本には)まだまだ若い先発投手が大勢いるので、彼らに少しでもプラスになればと思う」

 チームトップの19試合の先発。背番号18の「継続する力」が首位を走るヤ軍を支えている。

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2012年7月20日のニュース