グラブ頼んだイチ、遊撃で復活目指す!?

[ 2012年7月14日 06:00 ]

新しいグラブをはめ、遊撃の守備位置でノックを受けるマリナーズのイチロー

 大リーグは13日(日本時間14日)から各地で再開する。レンジャーズと対戦するマリナーズのイチロー外野手(38)は12日(同13日)、本拠地での全体練習に参加。遊撃の位置で内野手用のグラブを使った守備練習を行った。打撃不振から抜け出す打開策として、体の切れを取り戻すことが狙い。新調整法の本格導入で、後半戦の巻き返しを目指す。

 グラブが小さく見えた。いや本当に小さかった。打撃練習を終えたイチローは川崎、フィギンズとともに遊撃の位置でノックを受けた。左手には外野手用ではなくグレーを基調とした内野手用のグラブを着けていた。

 「瞬間的に汗をかけるというのはあるよね。こっちのウオームアップとかでは一回にガッと汗をかくことはなかなか難しい。でも、あれをやると簡単にできる」。日本開幕戦では、川崎に付き合い、二塁でノックを受けたことはある。だが、今回は意味合いが違う。汗をかき、体に切れを出すことが目的だった。

 実は今月2日オリオールズ戦の試合前から試していた。しかし、5分も満たなかった練習時間はこの日、10分間にも及んだ。「筋肉の反応もそんなに悪くないしね。この辺(太腿)が張りやすいかなと思ったけれど、そういうところも今のところない」。グラブも3年前の自主トレで使った内野手用を初めて使用。さらには「もう(新しい)グラブを頼みましたからね」と、新調した点からも本気度がうかがえる。

 全ては打撃につなげるため。始動から打つポイントまでをシャープにしたいからだろう。始動の遅れが起因とされるタイミングのズレ。それはイチローが昨季から悩み、不振の最大の原因となっている。体の切れを出すことで、失いかけている本来の「間」を取り戻すことが狙いとみられる。

 天才打者も10月には39歳になる。前半戦はメジャー通算12年間で自己ワーストの打率・261。打順も開幕の3番から1番、そして2番と動かされ、後半戦は2番からの再スタートが予想される。残り85試合。巻き返しへの第一歩は遊撃での守備練習だった。

 ▽本職以外の選手による内野練習 マリナーズ・岩隈、レンジャーズ・上原、DeNA・三浦ら投手をはじめ、巨人・阿部ら捕手でも練習中に内野ノックを受ける選手は多い。一般的には、左右への速い打球を処理して体の切れを出したり、三塁や遊撃の位置から一塁への送球で、しっかり体重移動をして投げる体の使い方を確認することなどが狙いとされる。自主トレ期間に内野ノックを受けていたレイズ・松井は「下半身のトレーニング」と説明した。

続きを表示

この記事のフォト

2012年7月14日のニュース