ダルを「34番目の男」に!レ軍、前代未聞の大作戦

[ 2012年7月3日 06:00 ]

<レンジャーズ・アスレチックス>ダルビッシュをオールスター戦に出場させようと促す広告が球場大型画面に何度も映しだされた

ア・リーグ レンジャーズ1-3アスレチックス

(7月1日 アーリントン)
 ダルに1票を――。大リーグは1日(日本時間2日)、10日(同11日)に行われるオールスター戦(カンザスシティー)の出場選手を発表。レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)は各リーグ33人のメンバーからは漏れたが、インターネット投票で決まる「34番目の男」にノミネートされた。これを受け、レ軍は短文投稿サイト「ツイッター」を使った大キャンペーンを開始。この日のアスレチックス戦では7回3失点で5敗目(10勝)を喫した右腕の出場を世界中に呼び掛けた。

 米テレビ局の特別番組で発表された球宴選出メンバー。注目を集めたダルビッシュの名前はなかった。しかし、まだ可能性はある。「ファイナル・ボート」(34番目の男)での選出に望みをかけることになった。

 5人の候補のうち、インターネット投票で最多得票を獲得した選手が最後の椅子をつかむ4日間の選挙戦。リーグ3位の10勝、同2位の117奪三振を記録している右腕を出場させるために、レ軍は世界で1億人以上が利用しているといわれる「ツイッター」を利用した拡散作戦を開始した。

 「ダルビッシュ有がファイナル・ボート5人の中に選ばれた。あなたのサポートが必要」との文字がツイートされたのは、テキサス州にゆかりのある世界的著名人。同州に本社を置くパソコンメーカーDELL社のマイケル・デルCEO(最高経営責任者)ら財界人に加え、自転車競技のツール・ド・フランスで7年連続総合優勝を達成したアームストロング氏ら世界的アスリートに球団がツイートを依頼した。そのフォロワー(読者)は計数百万人に上り、フォロワーからフォロワーへと拡散される。全世界を巻き込んだ投票作戦だ。

 02年から導入されたファイナル・ボート。ア・リーグで過去に選ばれた選手の所属球団は、大都市に本拠を置くヤンキース、レッドソックス、ホワイトソックスの3チームだけ。ダルビッシュには日本からの票が入るとはいえ、それだけでは確実ではない。球団はツイッター作戦以外にも、投票してくれたファンを本拠レンジャーズ・ボールパークのスイート席に招待するというニンジン作戦も敢行。万全のバックアップ態勢を敷いた。

 この日も球場には「VOTE YU(ユウに投票しよう)」のボードが躍った。ダルビッシュは「あとはファンの方が決めること。僕は静かにしています。5人のうち、僕以外は良い投手ばかり」としたが、球団の支援には「感謝しています」と語った。締め切りは米東部時間5日午後4時(日本時間6日午前5時)。前代未聞の大キャンペーンがダルビッシュの球宴選出を後押しする。

 ▽「34番目の男」(ファイナル・ボート) 02年から実施しており、各リーグ5人ずつの候補からファンがインターネット投票で選出する。日本選手では04年に松井(ヤンキース)、07年に岡島が選出されている(松井は05年に落選)。この日は33選手が発表され、ファン投票で選ばれた野手(ア・リーグはDH含め9人、ナは8人)は先発出場する。投手と先発以外の野手は、選手、監督、コーチによる投票上位と監督推薦で選出された。

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