兵庫・田中 こん身の二塁打で前期締め さあカナダW杯

[ 2012年7月1日 10:00 ]

一時は逆転となる2点二塁打を放った兵庫・田中

日本女子プロ野球 兵庫4-4大阪

(6月30日 ベイコム)
 日本女子プロ野球リーグは30日、ベイコム野球場で前期の最終戦を行い、兵庫スイングスマイリーズと大阪ブレイビーハニーズは6回降雨コールドゲームにより、4-4の引き分けに終わった。

 打球よ、カナダへ届け。ワールドカップへ向け、こん身の一打で最終戦を締めくくった。同点で迎えた3回2死一、二塁、3番田中幸夏は同じくW杯日本代表候補の大阪先発小西美加との対戦を仮想W杯と位置付けていた。

 プロだけではなく、日本を代表する小西を打ち崩せば、かなりの自信になる。打撃に苦手意識がある田中にとって小西は、世界で戦う前にどうしても越えておきたい壁だった。「もう小西さんの真っすぐを狙っていた。ちょっと高かったですけど、コースは真ん中でした」。ワンボールから来た狙い通りの直球をすくい上げると、打球は高い放物線を描いて左中間を深々と破った。

 走者一掃となる大きな一撃は、逆転の二塁打となった。「若干詰まり気味でしたけど、小西さんの真っすぐなんで飛んでくれましたね」。

 不動の二塁手として、守備には誰にも負けない自信がある。6月23日から2日間行われた日本代表合宿でも、そのグラブさばきはナンバーワンの高評価を得た。ただ、打撃だけが今季のリーグ戦でも思うような結果が出ず、苦しんできた。合宿に同行していた京都の佐々木恭介監督にも膝の使い方やトップからのバットの入り方を教わり、短期間で本来あるべき自分の打撃スタイルを取り戻していった。

 「捕られるかなと思いました。落下地点は見ていなくて、びっくりでした。でも、小西さんを打てたんで、W杯に弾みがつきましたね」。女子プロ野球リーグNO.1投手討ちで揺るぎない自信を手に入れた。これで心置きなくカナダで戦える。8月10日に照準を合わせることが出来た。

 <兵庫ルーキー・堀越 初先発で堂々>前期最終戦でプロ初先発となった堀越美紀は、4回2失点と堂々の投球を見せた。力のある真っすぐを中心に得意のスライダーとカーブを織り交ぜ、大阪打線を4安打に抑えた。「小西さんを相手にいい投球が出来た。これを機に後期につながる投球が出来たかなと思います。自信にはなりました」。リリーフ陣が崩れ、勝ち星こそつかなかったが、満足いく投球に最高の笑みを浮かべた。開幕から5キロも体重を落とすなど、積極的な走り込みで体のキレも出るようになった。埼玉の実家からも母親が応援に駆けつけるなど、最後の最後で今季一番の投球をプレゼント出来た。

 <最下位大阪・碇主将がリベンジ誓う>なんとか前期最終戦を引き分けに持ち込んだ大阪の碇キャプテンは、後期シーズンでの巻き返しを誓った。「本当に1年目の京都のような何をしてもうまくいかないし、どうしたら勝てるのかもわからず、すべてがうまくいかなかった」。個々のレベルは高いものが集まりながら、一つになれない難しさを経験。ルーキーの多さもまとまりに欠ける要因になってしまった。だが、攻撃陣は前期シーズンを通して、4番小久保を中心とした形を作り上げてきた。あとは、守備のきっちりとした整備に尽きる。記録に残らないエラーが多すぎた今季は、裏を返せばチームの連携に問題があった。「“新球団だから”と言えるわけもない。前期で見つかった課題を後期までに克服しなければならない。なんとか後期は他の2球団に食らいついていきたい」。キャプテンは早くもリベンジに燃えていた。

続きを表示

この記事のフォト

2012年7月1日のニュース