マー君、復活今季初完封!選手間投票1位の実力見せた

[ 2012年6月30日 06:00 ]

<楽・ソ>8回2死満塁、明石を左飛に打ち取った楽天・田中はド派手なガッツポーズを繰り返す

パ・リーグ 楽天6-0ソフトバンク

(6月29日 Kスタ宮城)
 マー君が吠えた、斬った!楽天・田中将大投手(23)が29日、ソフトバンク打線を5安打に抑えて今季初完封勝利を挙げた。8回1死満塁のピンチを切り抜けるとマウンド上で吠え、これで今季5勝目をゲット。対ソフトバンク戦は3試合連続完封となった。球宴に選手間投票1位で選ばれた実力を存分に発揮。チームも再び貯金1とした。マー君の熱くて暑い季節はここから始まる。
【試合結果】

 魂を込めた。自然にうなり声が上がった。1点リードの8回1死満塁。田中は「1点もやらない」と誓った。代打・小久保を狙い通りに空振り三振。明石を左飛に抑えた。勝負球はともに、これまでシュート回転に悩んでいた直球。ど派手なガッツポーズを決め、夜空に雄叫びを上げた。

 「ここ2回の登板ではやりたいことができているし、いい兆しはある。でもまだ満足はしてないので、上げていきたい」

 今季初完封。完投勝利を挙げた前回22日のロッテ戦(郡山)は10安打を浴びたが、この日は8回以外は二塁も踏ませず5安打に抑えた。MAX154キロの直球を主体にソフトバンク打線を圧倒。「正直、投球練習でも受けてもらったことがなかった」という初バッテリーを組んだ新人捕手の岡島にはイニング間に構え方のアドバイスも送った。5回には二盗も阻止してくれた女房役に「頼もしい後輩が出てきてくれた」と信頼を寄せた。

 剛速球の復活。手応えは27日の東京ドームでのブルペン投球にあった。通常は直球、変化球をバランスよく交えて計40球を投げ込むが、直球を40球以上も投げ込み、球数は60球に達した。ゆったりとしたバランスの良いフォームを見つけ、この日のマウンドでも実践。同戦は3年越しで5連勝となったが「まだ右バッターの外角を狙った球がシュート回転することがあった。納得するボールの確率を上げたいです」と反省も忘れなかった。

 4回を投げ終えた時点でプロ6年目、134試合目にして早くも1000投球回数に到達。田中は「ここまで投げられたことは、両親に感謝したい」と素直に喜んだ。これでチームはリーグ戦再開後の7試合で5勝1敗1分け。3位をキープした星野監督も「(田中)将大は復活したと確信していい」と目を細めた。

 「上を見て戦っていかないといけない」と田中。昨季19勝で沢村賞を獲得した右腕が、5勝目の余韻に浸ることはない。

 ▼楽天・岡島(新人ながら田中を好リード)ブルペンでも受けたことがないので、ぶっつけ本番だった。あらためて田中さんは凄い投手と思った。助けてもらった点もありました。

 ≪134戦目達成は史上6位タイ≫田中(楽)が29日のソフトバンク9回戦で通算1000投球回を達成。プロ野球327人目。初登板は07年3月29日のソフトバンク戦。登板134試合目での到達は江川卓(元巨人)、ダルビッシュ(レンジャーズ)らと並ぶ史上6位タイのスピードとなる。また楽天では岩隈久志(マリナーズ)に次ぎ2人目。通算1005回まで伸ばし、岩隈の1001回2/3を抜き球団最多とした。

 ≪高校出プロ1年目から6年連続完封は史上5人目≫田中は今季初完封勝利で、プロ1年目から6年連続で完封を記録。ドラフト制以降の高校出投手では、鈴木啓示(近鉄)の15年連続を筆頭に田中が5人目だ。ソフトバンク戦はこれで5連勝となり、通算13勝3敗(完封5)で貯金は2桁の10。昨年8月27日からは3戦連続完封勝利とキラーぶりを発揮している。

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