6試合ぶり勝利の沢村 復調の証は右手指先の血マメ

[ 2012年6月30日 06:00 ]

<巨・中>5勝目を挙げスタンドにサインボールを投げ入れる巨人・沢村

セ・リーグ 巨人2-1中日

(6月29日 東京D)
 40日ぶりの白星。長かったトンネルを抜けても、巨人・沢村の行動は究極を求める男そのものだった。お立ち台に上がる直前。5月20日のソフトバンク戦(東京ドーム)以来、6試合ぶりのウイニングボールをためらうことなくスタンドに投げ入れた。6回1/3を4安打1失点。首位攻防戦第1Rのマウンドを託され役目を果たしたが、最後まで表情は緩めなかった。

 「チームが勝てたことが良かった。ヒーローインタビューではっちゃけようと思ったんですけど、無理でしたね。(内容に満足がいかず)悔しくてできなかった」。気迫を前面に出した。5回1死一、三塁。代打・山崎を空振り三振に斬ったが、阿部の悪送球で1点を失った。なおも2死三塁で荒木。「(失策も含め)チームとしてやっている。あそこを1点で抑えられて良かった」。初球スライダーで三邪飛。拳を握り雄叫びをあげた。

 自身4連敗。勝てない日々の中で、今回の中5日の調整期間中は3日連続で遠投を行った。「体重移動も良かった。シュート回転もしていない」。不調に陥った昨年7月にも登板間に2度行っていたブルペン投球を1度にし、代わりに遠投を取り入れた。今回も力まず体全体を大きく使い、理想的なフォームや球筋を呼び覚ました。その証拠が試合中にできた右手の指先の血マメ。川口投手総合コーチも「指のかかりが良かった。非常にいい傾向」とうなずいた。

 原監督も「いい投球をしてくれた。ストライクを取ることに一生懸命にならず相手と勝負していた」と戦う姿勢を評価した。これで首位・中日に1ゲーム差。「交流戦優勝はうれしかったけど、(1勝4敗で)貢献できなかった。その分、リーグ戦で貢献できるようにしたい」。日本一奪回に欠かせない背番号15が、この1勝を機に巻き返す。

 ≪ブランコには14打席連続無安打≫沢村(巨)が6回1/3を1失点で5月20日ソフトバンク戦以来の5勝目。中日戦は今季初登板だったが、昨季から通算5試合に登板し●|○○○の3勝1敗、防御率1・60と相性がいい。この日は4番のブランコを三振、四球、四球と2出塁を許したものの無安打。これで初対戦から14打席連続無安打となった。今季の巨人は東京ドームで19勝6敗4分け(勝率・760)と好成績。同球場でのシーズン最高勝率は99年の・689(42勝19敗)。本拠地球場で勝率7割以上は83年後楽園で記録した・714(40勝16敗2分け)が最後だが今季はどうか。

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