5戦4発!堂林開眼「短く持っても飛距離落ちない」

[ 2012年6月27日 06:00 ]

<広・巨>4回1死、勝ち越しの7号ソロを放ちナインに迎えられる広島・堂林(右)

セ・リーグ 広島5-2巨人

(6月26日 マツダ)
 「広島のプリンス」がまた打った!広島の堂林翔太内野手(20)が26日の巨人戦で4回に決勝の7号ソロを放ち、チームを勝利に導いた。これが本拠地初アーチで、最近5試合で4本塁打と量産。09年夏の甲子園で優勝した中京大中京時代から持ち味だった広角打法で、またしても右翼席に放り込んだ。新人王資格を有する3年目の若き大砲に大ブレークの予感が漂う。
【試合結果】

 大竹、岩本と並んだお立ち台。堂林はひときわ大きな喝采を浴びた。本拠マツダスタジアム1号。64試合目にして飛び出した待望の一発は値千金の決勝アーチとなり、素直に喜びを口にした。

 「やっと出ました。この球場で、ずっと打ちたいと思っていたので、うれしい」

 2―2で迎えた4回、1死走者なしの場面。2ボールからホールトンが投じた、外角高めの134キロ直球をコンパクトに振り抜くと、勢いのついた打球はそのまま右翼席へ飛び込んだ。ベース1周する20歳の若武者を大声援が包み込んだ。

 量産態勢に入った。9日のソフトバンク戦(マツダ)。バットを短く握りながら、右翼席に運んだ松田を見て「短く持っても飛距離は落ちないんだ」とヒントを得た。すると、11日のオリックス戦(三次)から8試合で5発、ここ5戦では4発と開眼。セ・リーグの日本人選手では巨人・阿部の10本に次ぐ7本だ。3年目で1軍に初昇格した選手とは思えない驚異的な爆発力。「本塁打はヒットの延長。ただ、ここへ来てスイングが少し速くなった気がします」と言葉に実感を込めた。

 4月24日阪神戦(甲子園)でプロ1号を中堅右へ叩き込んで以来、左へ3本、右へ3本と広角に打ち分ける。球団は通算641本塁打のヤンキースの強打者アレックス・ロドリゲスのようなスケールの大きな打者になってほしいとの願いを込めて、背番号13を与えた。まさに「Aロッド」を思わせる右への軌道。「ホームラン打者は右へ狙って打てると思うけど、僕は来た球に逆らわず打っているだけ」と言うが、1メートル83、81キロの細身の体には力強さがある。

 野村監督は「いい場面で、いい仕事をしてくれた」と絶賛した。チームで全試合に出場する和製大砲候補。蒸し暑い夜にも平然と言った。「これぐらいでバテていてはダメでしょ。夏はこれからが本番。嫌いじゃないです」。生きのいい若ゴイが赤ヘルの逆襲劇を演出する。

 ▼広島・大竹(7回2失点で6月は無傷の4勝。月間MVPの最有力候補に)好結果が出ているが、援護が多いので、野手に感謝です。

 ▽堂林の09年夏の甲子園成績 中京大中京のエース兼4番として全6試合に登板。打撃では23打数12安打12打点1本塁打1大会タイ記録の二塁打6本もマーク。決勝の日本文理戦は初回に右中間へ先制2ラン、5回には左翼フェンス直撃の二塁打、同点の6回には2死満塁から三遊間を破る決勝の2点左前打を放ち、チームを43年ぶりの頂点に導いた。

 ≪長野&バレ級の右≫堂林(広)が4回ホールトン(巨)から勝ち越しの7号ソロ。巨人戦はプロ入り初アーチとなったが、ホールトンとは5月2日にも4回に勝利打点となる先制の中越え二塁打。同投手から放った2安打が、いずれもV打と価値が高い。また、この日は右翼席への一発。今季堂林の右翼方向への本塁打は3本目。セで流し打った本塁打が3本以上は他に長野(巨)4本、バレンティン(ヤ)3本といるだけだ。

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