ファンに謝罪の原監督「心のもやもやがとれて感謝」

[ 2012年6月21日 06:00 ]

ベンチで打撃練習を見守る巨人・原監督

 前代未聞のスキャンダルが明るみになった巨人の原監督は球団事務所での会見には同席せず、午後1時から川崎市のジャイアンツ球場で行われた全体練習の指揮を執った。約2時間の練習終了後には取材に応じ、あらためて巨人ファンへ謝罪の言葉を並べた。

 「このような状況になり、ファンの皆さまに心よりおわび申し上げます。同時に深く反省しております」と沈痛な面持ち。夫人には09年に事実関係を説明しているといい「一番迷惑を掛けたのは妻であります。妻とは未来へ向けて、2人の夢に向かって一歩ずつ前進しております」と続けた。

 交流戦初優勝を飾りチーム状態が上向きなだけに、指揮官として何よりもグラウンドへの影響を避けたい。「私の中ではあす(21日)、また練習し、あさって(22日)からペナントレースという目標を持ってチームを前進させたく、そのことに集中していきたいと思います」。選手には特に説明などは行われず、事実を明かすことで「正しく報道していただきたい。隠そうなんて気持ちもない」と話した。練習では左脇腹肉離れから復帰を目指すゴンザレスの投球練習に見入り、セーフティースクイズや送りバント、右打ちを行うケース打撃に目を光らせた。

 過去の過ちを認めることでけじめをつけた原監督は正直な心境も吐露。「どこかに心のつかえがあった。心のもやもやが取れたような、逆にこういう事柄に感謝したいと思います」と言った。22日からリーグ戦が再開し、今季2勝5敗1分けと負け越しているヤクルトとの3連戦。「緊張感の中で食うか、食われるかの勝負をするわけですから。しっかり準備をして、頑張っていくことに集中します。私も含めて」。雑音をはねのけるように語気を強めた。

【原監督のファンへの声明】

ファンの皆様へ

 1988年ごろ、私はある女性と関係を持ちました。女性とはまもなく連絡を断ちましたが、それから約18年後、監督に復帰して1年目の2006年8月、プロ野球と関係ある人物から電話があり、「あなたの女性問題に関する日記がある。公になれば球界は大変なことになる。表に出ないよう私に任せてほしい」と言われました。

 ゆすられていると思い、不安を感じた一方、私を助けてくれるのだとも解釈し、要求された現金を渡しました。悩んで悩んで悩み抜いての苦渋の選択でした。私の個人マネジャーとは「これで終わりにならない時には球団に相談し、警察に届け出よう」と話し合いました。

 その後、動きはありませんでしたが、2009年、別の男から球団に電話があり、「女性問題のことを書いた日記が監督の手に渡ったはずだ。それを返してほしい」ということでした。私は球団にすべてを打ち明けました。妻にもすぐに告白しました。一番傷つけてしまうのは妻だと思ったからでした。

 電話をしてきた男は逮捕され、有罪になったと聞きました。私は一連のことが明らかになった時は、誤解を招かないためにも、自分の言葉で釈明しようと考えてきました。自ら心境をつづって、けじめをつけたいと思ってきました。

 私個人の不徳の致すところであり、浅はかなことをしたと思っています。たくさんの選手を指導するプロ野球の監督という立場にある人間として、深く反省しています。ファンの皆様、大変申し訳ありませんでした。

 読売巨人軍 原辰徳
 (原文のまま)

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2012年6月21日のニュース