東浜に勝った!早大・吉永が斎藤以来の1年生MVP

[ 2012年6月19日 06:00 ]

<早大・亜大>7回無失点で優勝に貢献した早大・吉永

全日本大学野球選手権最終日 早大4―0亜大

(6月18日 神宮)
 早大が亜大を4―0で下し、07年以来5年ぶり4度目の優勝を果たした。先発の吉永健太朗投手(1年)は7回無失点で今大会2勝目を挙げ、07年の早大・斎藤佑樹(現日本ハム)以来、史上2人目となる1年生MVPを獲得。吉永は日大三時代の昨夏甲子園制覇に続き、大学でも日本一を達成した。亜大はエースの東浜巨(なお)投手(4年)が初回に3点を失うなど7回4失点と崩れ、02年以来の日本一はならなかった。
【試合結果】

 首から優勝メダルを提げた吉永が、照れながらMVPトロフィーを受け取った。東浜との甲子園優勝投手対決に投げ勝った右腕に、神宮のスタンドから祝福の拍手が湧いた。

 「優勝は何回してもうれしいので、最高です。(MVPは)少し期待はしていました」

 序盤から快調に飛ばした。4回まで5奪三振。5回には1死三塁のカウント1ボールから亜大が2球連続で仕掛けてきたスクイズを見破った。2球目は高めに外し、ファウル。3球目は低めに外して空振りを奪い、三塁走者をアウトにした。「走者が(動くのが)見えました」と1年生らしからぬ洞察力でピンチを脱し、7回無失点と役目を果たした。

 07年の斎藤以来、史上2人目のMVPを獲得したが、リーグ戦を含む今春の成績は、奪三振、防御率に加え、投球回数では斎藤を大幅に上回る。大学1年春に斎藤が9試合で38回1/3だったのに対し、吉永は10試合で63回。昨夏の甲子園で6試合中5試合で完投するなど、766球を投げ抜いたタフさは、大学でも変わらない。

 上半身をのけぞらすような投球フォームだが、意外にも「上半身には疲れがたまらない」という。前日の準決勝では6回途中98球で降板。寮で風呂上がりに軽くストレッチをしただけで、決勝に先発した。それでもこの日は最速144キロを計測。天性の肩、肘の柔らかさに加え、踏み出した左足でしっかりと体重を受け止めることができるフィニッシュが、上半身への負担を減らしている。

 5年前の優勝時に斎藤は「一生何かを持っている運命なのかな」と発言した。それに対して吉永は「自分は持っているというより、自分で抑えて勝っていきたいと思います」と自らを高め続けることを宣言した。

 ▼早大・横山(福島県浪江町出身。8回から2番手で登板し、3連続三振)投げてて気持ちよかった。これでいい報告ができます。

 ▼日本ハム・斎藤 良かったですよね。(横浜スタジアムの)テレビで少し見てました。吉永くんもいいピッチングしていたみたいですし。母校が勝つと自分のモチベーションも上がりますね。

 ≪東京六大学では3位≫東京六大学勢の優勝は通算23度目。ともに神宮球場を舞台にリーグ戦を行う東都大学との決勝は2年連続21度目だが、通算では14勝7敗となった。早大は07年以来4度目の優勝で、東京六大学では法大(8度)、明大(5度)に次ぎ3位となった。

続きを表示

2012年6月19日のニュース