勝ちゲーム逃がしたロッテ 復帰の荻野貴に救われた

[ 2012年6月14日 06:00 ]

<ロ・広>延長10回1死一塁、約1年ぶりに1軍復帰したロッテ・荻野貴が二盗

交流戦 ロッテ3-3広島

(6月13日 QVC)
 にがり切った表情が全てを物語っていた。3点のリードを終盤の8、9回に追いつかれ、延長10回の末にドロー。交流戦Vが遠のいて、ロッテ・西村監督も会見を短く終えた。

 「勝ちゲームをこういう形にしてしまった。しっかり反省しながらやらないといけない」

 打線が4回に広島のルーキー・野村を一気に攻略。先発・グライシンガーも7回まで3安打無失点と完璧だった。それが8回だ。1死一、二塁から救援したルーキー・益田が四球で満塁とし、犠飛と適時打で1点差。9回は守護神・薮田が3安打で同点を許した。勝ちパターンの崩壊。「益田は最初の打者への四球だね。薮田も相手の走塁ミスに助けられなければ逆転されていたかも」と指揮官は振り返った。

 そんな痛恨ドローの中で、最後の最後に希望が見えた。延長10回1死一塁。スタンドが最高に盛り上がったのが、代走に荻野貴が送られた時だ。昨年の2度にわたる右膝手術から長いリハビリを経てこの日、約1年ぶりに1軍復帰。昼間の2軍戦で3安打を放って出場選手登録され、2球目にスタートを切って二盗を決めた。「緊張したけどホッとした。足がもつれて焦った。あの場面で使ってもらって感謝してます」。サヨナラのホームは踏めなくても、無類のスピードは健在。西村監督も「帰ってきてくれたのが大きい」と言った。

 巨人にマジックが出ても、望みはある。帰ってきた荻野貴の足が何かを予感させる。

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2012年6月14日のニュース