2本塁打はいずれも初球の松井 裏かかれ4タコ「完敗」

[ 2012年6月7日 06:00 ]

<ヤンキース・レイズ>古巣ヤンキースタジアムでの第一戦は無安打に終わったレイズの松井

ア・リーグ レイズ0―7ヤンキース

(6月5日 ニューヨーク)
 ヤンキースを去って3年。それでも長かったオフの苦労を知る敵地のファンは、今年もニューヨークに帰ってきたレイズ・松井を打席のたびに拍手と大歓声で迎えた。6試合目で初の4番、そして4年ぶり7度目の右翼での先発。松井は「(歓声は)素直にうれしいし、ファンの皆さんに感謝します」と振り返った。

 知将ジョー・マドン監督の、人間味あふれる演出だった。試合前、打率1割台の松井の4番起用について指揮官は「いろいろ選択肢はあったが、彼は劇的な何かを起こす才能を持っている。4番に座って本塁打を打つ。今夜は素敵な物語が待ってるよ」。左膝痛で故障者リスト入りしていた左翼手ジェニングズが復帰。松井は控えか指名打者か、と思われた。ヤ軍時代もなかったヤンキースタジアムでの右翼先発。新しい活躍の場だった。

 しかし試合では「劇的」とはいかなかった。ヤ軍で4年間同僚だったペティットらの前に沈黙。4回には「ちょっと甘かった」というカーブを打ち上げ左飛に倒れるなど4打数無安打だった。今季の2本塁打は、いずれも初球の直球を打ったもの。裏をかくように4打席ともボール球から入られ、変化球を多投してきた配球に「コンビネーションも良かった。完敗」と松井。それでも右翼の守備は無難にこなした。

 試合前には大勢の地元メディアに囲まれた。09年ワールドシリーズMVPなど、華々しい栄光に包まれたヤ軍時代について「思い出さないようにしている。今の自分にはプラスにならない。野球を辞めるまで心の中にしまっておこうと思う」。感傷に浸る暇はない。打席で結果を残すことがレイズ、そしてヤンキースへの恩返しとなる。

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2012年6月7日のニュース