完全惜しい!杉内「フォアボールでいいやと思ったら…」

[ 2012年5月30日 20:16 ]

楽天戦でノーヒットノーランを達成し、捕手・阿部と抱き合う巨人・杉内

交流戦 巨人2―0楽天

(5月30日 東京D)
 快挙まであと1球の場面で杉内は阿部のサインに首を振った。1人の走者を出さないまま迎えた9回2死、打席には代打の中島。1ボール2ストライクから杉内が選択したのは速球。しかし、低目に外れて2―2。5球目は高目に外れる明らかなボール。そして6球目も低目に外れ、プロ野球史上16人目の完全試合はならなかった。

 「ヒットを打たれるよりフォアボールでいいやと思って低目を狙って投げたら、やっぱりフォアボールでしたね」。苦笑いを浮かべ、汗をぬぐった杉内だったが、集中力は切らさなかった。続く聖沢にはファウルで粘られながらも、この日14個目となる三振に仕留めて、見事にプロ野球史上75人目となるノーヒットノーランを達成した。

 三振14、内野ゴロ8、内野フライ1、外野フライ4、四球1だけとまさに“完璧”な内容。お立ち台では「いやぁもう信じられない感じです。うれしいです」と無邪気に笑った。

 ソフトバンク在籍時から5月にはめっぽう強い。過去に3度も月間MVPを獲得し、07年5月1日の楽天戦からこの日まで21試合でなんと20勝1敗。今季の5月ラスト登板を最高の形で締めくくった。

 楽天・田中との投げ合い、6回まで両チームともに0行進となった緊迫した展開での快挙。「チームが勝ったので、ボクはそれが最高にうれしい」の言葉は本音だろう。移籍1年目ながら栄光の「18」を背負う巨人のエースが歴史に名を刻んだ。

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