また援護なし また1球に泣いたメッセンジャー「全く後悔ない」

[ 2012年5月29日 12:17 ]

<神・西>7回、片岡に決勝3ランを浴び、グラブの中で拳を握り締めるメッセンジャー

交流戦 阪神0-3西武

(5月28日 甲子園)
 放心状態のままベンチに戻り腰を下ろすと、純白のタオルで顔を覆ったまま動けなくなった。しばらくすると頭を上げ、かぶりを振った。あまりにも痛々しい姿だった。阪神の先発メッセンジャーがまたも1球に泣いた。

 「全く後悔はしていない。甲子園のスタンドの一番入りやすいところに持っていかれただけ」

 両軍無得点で迎えた7回。2死一、二塁、フルカウントから片岡に投じた8球目だった。150キロの外角直球をはじき返され、右翼席まで運ばれた。普段なら、右翼から左翼方向に吹く甲子園特有の浜風に押し戻されているであろう打球。しかし、この瞬間だけ風がピタリとやんでいた。その直前には、炭谷の打球がワンバウンドで右膝付近を直撃。不運が重なって浴びた一発だった。「(右膝は)腫れているよ。ホームランを打たれた後にもっと痛みがきた」。冗談っぽく話す姿もまた、痛々しかった。

 22日のオリックス戦(京セラドーム)でも、0―0の6回、川端に満塁本塁打を浴び敗戦投手となった。そして、この日も打線は1点の援護もなし。誰も助っ人を責められるわけがなかった。

 今季最多の133球を投げマウンドを降りた右腕。和田監督は7回まで引っ張った理由を説明した。

 「球威自体は逆に上がってきていた。球速もあった。足の影響はあったかもしれないけど、ボール自体は悪くなかった。片岡一人にやられた」

 好投しながらも今季4敗目を喫し、昨年9月25日の巨人戦から甲子園では6連敗となった。本拠地で輝く姿をファンは待ちわびている。

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2012年5月29日のニュース