松井合流する3Aダーラム 異例グッズ「特需」に期待

[ 2012年5月15日 06:00 ]

自主練習のランニング中、髪をかき上げる松井

 レイズとマイナー契約を交わした松井秀喜外野手(37)は、カナダ・トロントでの査証(ビザ)発給の手続きを経て15日(日本時間16日)にノースカロライナ州に本拠を置くマイナー、3Aダーラムに合流する。ダーラムの球団関係者は13日(同14日)、松井グッズ製作に既に着手していることを明言するなど、営業、集客面でも松井の「貢献」に期待している。

 松井に大きな期待を寄せているのは、レイズだけではない。ダーラムでマーケティング部長兼広報を務めるスコット・カーター氏は、「ダーラムに合流して正式にチームの一員となった時に、Tシャツなどの松井グッズを販売する計画を進めている」と言及した。選手の入れ替わりが激しいマイナーリーグで特定選手のグッズが発売されるのは極めて異例だ。

 1988年公開の映画「さよならゲーム」の舞台となって以来、人気が沸騰したダーラム・ブルズ。マイナーのチームの中でもグッズの売り上げはトップクラスを誇る。同球団の公式サイトには現在、350品目を超える商品が並んでおり、日本からインターネットで買うことも可能だ。

 集客に関しても同様。公式サイトでは、松井の15日の合流予定を伝える記事から、直接ネット購入画面にリンクできる。「入団が決まった直後から、問い合わせが殺到していた」とカーター氏。ダーラムには創設61年目の日本人会があり、大応援団が3Aの本拠地アスレチック・パークを訪れそうだ。

 この日、松井は延長キャンプの休養日を返上して自主練習。フロリダ州ポートシャーロットでの調整を打ち上げ「ベストを尽くすだけ。(3Aでの調整は)全てがテーマになる」と話した。マイナー球場にファンを呼ぶことも契約してくれたレイズへの「恩返し」の一つではあるが、バットで結果を出し、フロリダ州セントピーターズバーグのメジャー本拠地トロピカーナ・フィールドに立つことこそが本当の「松井特需」だ。

 ▽ダーラム・ブルズ 3Aのインターナショナル・リーグ南地区所属。創設は1902年で、本拠地はノースカロライナ州ダーラム。88年にケビン・コスナー主演映画「さよならゲーム」の舞台にもなった。98年にデビルレイズ(現レイズ)傘下に入った。球場のダーラム・ブルズ・アスレチック・パークは左翼305フィート(約93メートル)と狭く、レッドソックスの本拠フェンウェイ・パークを模した高さ32フィート(約9.8メートル)のフェンス「ブルーモンスター」がそびえる。13日(日本時間14日)現在、14勝24敗で地区単独最下位(4位)。

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2012年5月15日のニュース