投げて打ってマエケン!7回3安打無失点&2安打2打点

[ 2012年5月7日 06:00 ]

<ヤ・広>7回2死満塁、前田健は藤本を遊ゴロに打ち取り雄叫びを上げる

セ・リーグ 広島6-0ヤクルト

(5月6日 神宮)
 頼れるエースが孤軍奮闘した。広島・前田健が投げては7回を散発の3安打、7奪三振で無得点に抑え、打っても2安打2打点の大活躍。リーグトップに並ぶ4勝目を挙げ「前回の対戦(4月30日)でやられたので、やり返すつもりだった」とはにかんだ。

 味方が2、4回の好機を生かせないでいた重い空気を自ら振り払った。0―0の5回。先頭打者として「何とか塁に出ようと思っていた」と館山の外角球を巧みに中前に運び、東出の二塁打で先制のホームを踏んだ。今季の広島は先制した試合は12勝1分け。不敗神話を守る一打だった。6回1死二、三塁ではフォークボールの5連投に食らいつき、三塁線を破る2点二塁打で館山をKO。PL学園(大阪)で4番を任された打棒はさび付いていなかった。

 本業のマウンドでのハイライトは7回。2死満塁から代打・藤本と対峙(たいじ)。昨年10月25日の最終戦で、9回1死から無安打無得点を阻まれ、涙を流した因縁の相手だ。「昨年、打たれた球(外角高めのスライダー)を思い出しながら投げた」と、勝負球は外角シュート。遊ゴロに仕留めた。

 10勝12敗と不本意な成績で終わった昨季の反省から、今季は「変化」を求めた。オフは都内のジムで初めて本格的な筋力強化に取り組んだ。同時に体の理にかなった投球動作を学び、例えばセットポジションは、腰の高さに置いていたグラブを胸元まで上げるように変更した。

 「ダルビッシュ(現レンジャーズ)さんのようにカリスマ性のある、日本を引っ張るような投手になりたい」。その資格と資質を、マエケンは備えている。

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