筒香 復帰即2安打!松井以上とほれ込む中畑監督救った

[ 2012年5月4日 06:00 ]

<D・ヤ>3回無死一塁、右前打を放つDeNA・筒香

セ・リーグ DeNA3-1ヤクルト

(5月3日 横浜)
 この男をずっと待っていた。「3番・三塁」で今季初出場したDeNAの若き主砲・筒香が攻撃の起点となり、連敗を6でストップ。中畑監督は「筒香がいるとチームに安心感が出る。“いけるぞ”って空気をつくってくれる。結果も出して勢いをつけてくれた」と喜んだ。

 筒香の今季初安打が31イニングぶり得点の呼び水となった。3回無死一塁。2ボール1ストライクからの内角直球を右前へ。無死一、三塁と好機を広げ、中村の先制二塁打につなげた。5回には左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、7回は四球。貧打に苦しんだ打線をけん引し「ホッとしている。必死に貢献することだけを考えた」と胸を張った。

 中畑監督は20歳の筒香を巨人コーチ時代に指導した同じ左の大砲・松井秀喜(レイズ)以上の素材とほれ込む。新球団の顔と期待するからこそ「厳しく接するからな」と伝え、松井と同じように育てようとしていた。しかし、2月の宜野湾キャンプ中に左足首骨挫傷で離脱。「万全の状態になるまで戻さない」。公の場ではそう話していた同監督だが、その裏では本人に「どうだ、状態は。早く戻ってこいよ」と定期的に電話していた。

 1日に1軍合流。「気持ち良くスタートさせたい」との親心から、当初は相手先発が右腕の試合での復帰を予定。だが3試合連続零敗で、予定を前倒しした。ここまで無傷3勝の左腕・村中に対して3番で起用し、いきなり3打数2安打。離脱から約2カ月半。やっと帰ってきてくれた。

 「大物たるゆえんだよね。本来投手の右左は関係ないバッター。新しい風を吹き込んでくれた。きょうの勝利は本当にうれしい。チームが変わっていけるきっかけになる試合」。中畑監督の賛辞に対し、筒香は言った。「ケガした分も、これからチームに貢献したい」。借金10の最下位だが、まだ5月。反攻の態勢がようやく整った。

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2012年5月4日のニュース