黒羽根　備えあり！マスク外さずバレのラリアットに耐えた

＜Ｄ・ヤ＞６回１死満塁、タッチアップで本塁を狙う三塁走者・バレンティンをＤｅＮＡの捕手・黒羽根が懸命のブロックで阻止する

セ・リーグ ＤｅＮＡ３－１ヤクルト

（5月3日 横浜）
　細かな危機管理が問われる捕手ならではの、周到な鋼鉄のブロックだった。６回、ＤｅＮＡは押し出し四球で１点差に迫られ、なお１死満塁で打席に畠山。同点となる犠飛すらも避けたい場面で捕手の黒羽根は「三振がベストだが、フライでも力で押して浅めになるように」と１ボールから高めに直球を要求。先発の高崎は注文に近い形で浅い中飛に仕留めた。

　三塁走者は体重１００キロの巨漢・バレンティン。「来ると思った。だからマスクをあえて外さなかった」。捕手は視界確保のため、打者が打った瞬間にマスクを外すのがセオリーだが、瞬時にクロスプレーを想定。案の定、バレンティンの左腕が顔面を襲ったが、マスクでダメージは軽減されボールを離さず。「ラリアットされたけど全然大丈夫」と首の後ろに貼った湿布を見せて笑った。

　中畑監督も「一番苦しい時、ハイライトに近いブロックだった。飛ばされそうなところを飛ばし返した」と絶賛した熱いブロックは、緻密な計算の上に成り立っていた。