松井に粋な計らい メジャー昇格まで“限定”背番号55

[ 2012年5月4日 06:00 ]

守備練習を行う松井

 レイズとマイナー契約を結んだ松井秀喜外野手(37)が、背番号55を背負い、メジャー昇格を目指すことが2日(日本時間3日)、分かった。メジャー昇格後は将来のエース候補マット・ムーア投手(22)が55番をつけているため譲渡される可能性は低いが、マイナーのエクステンデッド(延長)・キャンプでは、すでに背番号と名前入りのユニホームが用意されている。また松井は3日(同4日未明)、前日同様にフリー打撃を行い40スイングで7本の柵越えを披露した。

 プロ20年目のシーズンを歩み始めた松井に、球団が粋な計らいを用意していた。就労ビザが発給されるまではマイナーの公式戦に出場できないため、当面は延長キャンプで調整を進めるが、その期間中のために用意されたのが慣れ親しんだ背番号55。キャンプ施設のクラブハウス責任者を務めるティム・マケクニー氏は「マツイはここでは55番。メジャーに行ってからは分からないけど、もう名前入りのユニホームは用意してある」と明かした。松井がキャンプ施設を見学した1日に採寸を済ませており、今後の練習試合で初披露されることになる。

 すでにメジャーでは将来のエース候補のムーアが背番号55をつけていることもあり、入団会見では日米19年間、慣れ親しんできた背番号について「こだわりはないです」と話していた。それでも松井のこれまでの実績を考慮し、球団側が配慮した格好。就労ビザ取得後の今月中旬にも3Aダーラムに合流予定だが、そこでも55番は空いており、引き続き同じ番号をつけることが濃厚だ。

 注目の実戦出場の時期については「僕の中でプランはない。チームのプランがあると思いますから、それに沿ってやりたい」と話したが、順調に調整が進めば週明けの7日(日本時間8日)にも新しいユニホーム姿で練習試合に出場する予定。期間限定ながら、再び松井が55番を背負ってプレーする姿は日本のファンも必見だ。

 この日は前日同様にTシャツ、短パン姿でフリー打撃を行った。初日は34スイングで柵越えなしだったが、40スイングで7本の柵越え。きれいな放物線を描く松井らしい打球を放つなど調子は上向きの様子。「誰でも自信がないとプレーしない」。孤独なトレーニングから解放された松井は、周囲のサポートを受けながら、メジャー復帰に向けた戦いを静かに続ける。

 ▽マイナーリーグと背番号 各傘下のチームごとに背番号登録が異なり原則として、新加入選手は空き番号から選択できる。07年にパイレーツとマイナー契約した桑田はキャンプでは52番、傘下ルーキーリーグでは18番、傘下3Aインディアナポリスでは25番と階級が上がるたびに背番号も変わった。メジャーの選手がリハビリ調整のためにマイナーに合流する場合は、メジャーの選手に背番号を譲るのが慣例となっている。

 ▽松井のマイナーチームでの背番号55

 ☆06年9月 ヤンキース傘下2Aトレントンで左手首骨折から初めて実戦に復帰。プレーオフ開幕となった地区シリーズのポートランド戦第1戦から4試合に出場。

 ☆07年4月 左太腿裏肉離れで離脱していたが、ヤ軍傘下1Aタンパで実戦復帰。2試合に出場して、全速力で走れるかなど脚の状態を確認。

 ☆08年8月 左膝痛のため故障者リスト(DL)入りしていたが、15日にヤ軍傘下1Aタンパで実戦復帰。3試合出場し、初戦には右中間へ本塁打も放った。

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2012年5月4日のニュース