２人の天才育てた“聖地”「空港バッティング」

＜楽・日＞初回２死一、二塁、右前適時打で通算２０００本安打を達成する日ハム・稲葉

パ・リーグ 日本ハム３－３楽天

（4月28日 Ｋスタ宮城）
　日本ハム・稲葉の打撃の「原点」ともいえる場所が、愛知県西春日井郡豊山町内にあるバッティングセンター「空港バッティング」だ。中学時代に足しげく通い、プロ入り後も新年「初打ち」の場所はここと決めている。

　実は同バッティングセンターはマリナーズ・イチローが青春の汗を流した場所でもある。高校入学時の稲葉が球速１２０キロのマシンは「速すぎて捉えられない」と１００キロを打つそばで、１２０キロをガンガン打っていたのが、当時中学生だったイチローだった。稲葉の父・昌弘さん（６７）も「イチロー君のところはお父さんが裏に行って一番速い球速にして、さらに打席の前に立たせて打たせていたらしい。あまり当時は知らなかったけどね。私は“おまえ（篤紀）には負けん”と張り合って隣り合って打っていた」と回顧していた。

　≪歴代５位タイの年長記録≫稲葉（日）が２８日楽天４回戦（Ｋスタ宮城）の初回にヒメネスから右前安打を放ち、プロ野球３９人目の通算２０００安打を達成した。初安打はヤクルト時代の９５年６月２１日広島１３回戦（広島）の２回、プロ初打席で紀藤から放った右越え本塁打。初打席本塁打を記録した打者の２０００安打は高木守道（中）、駒田徳広（横）に次いで３人目になる。３９歳８カ月での達成は古田敦也（ヤ）と並ぶ歴代５位タイの年長記録だ。また、今季は通算２０００試合出場（あと２４）、１０００得点（あと４３）、４００二塁打（あと８）、２５０本塁打（あと１）、１０００打点（あと２４）と達成可能な記録が目白押し。

　≪データあらかると≫

　☆史上３人目　記念安打はカウント３ボール０ストライクから。通算２０００安打目を３―０から放ったのは６７年山内、８１年大杉に次いで３１年ぶり３人目。また２４日ロッテ戦から１、４、１、１と４試合連続安打。２０００安打まで４試合以上安打を続けて記録を達成したのは０６年石井（８試合）以来だ。

　☆両リーグで量産　稲葉はヤクルト時代に９７２安打、日本ハムに移籍後、１０２８安打を記録。セ・パ両リーグに在籍して２０００安打以上は稲葉が１０人目だ。過去に両リーグで１０００安打以上は大杉、落合といる。稲葉はセでの本数が２８本足りず３人目とはならないが、リーグの違いを苦にせず安打を積み上げた。

　☆高齢になって　シーズン１５０安打以上は４度マークしており、うち３度は日本ハム移籍後。特に０９年１５０本、１０年１５２本と３７歳シーズンを超えてから２度記録。過去に２０００安打達成者で３７歳シーズン以降に３度の１５０安打は金本だけ。今季稲葉がクリアすればこれに並ぶ。

　☆痛い勲章　稲葉の通算死球は歴代５位の１３０。通算死球５傑入りしている打者で２０００安打は清原（１９６死球＝１位）、衣笠（１６１死球＝３位）に次ぎ３人目。