稲葉初戦で決める!「みんなに気を使われるの一番嫌」

[ 2012年4月28日 06:00 ]

雨の仙台駅前を歩いてホテルに向かう稲葉

 通算2000安打まで残り1本と迫った日本ハム・稲葉篤紀外野手(39)は27日、28日からの楽天3連戦(Kスタ宮城)に備えて仙台入り。初戦での偉業達成を誓った。昨年、東日本大震災の復興支援の一環として行われた球宴第3戦でMVPに輝いた思い出の地で、今度は自らの金字塔を打ちたてる。また、28日の予告先発の斎藤佑樹投手(23)も、先輩の快挙に花を添える白星を誓った。

 チーム便が到着してから1時間後。疲労を取るため、余裕を持って単身で仙台入りした稲葉の表情に、プレッシャーは見当たらなかった。

 「いつも言うようにチームが勝つためにやっている。僕の記録でみんなに気を使われるのが一番嫌。そのためにも早くスカッと決めたいですね」

 前日のロッテ戦(東京ドーム)の6回、通算1999安打目となる4号決勝ソロを放って大台に王手をかけた。ただ、自身にかかる重圧よりも、ナインが「稲葉さんのために何とかしよう」と力が入っている姿が気になった。8回2死から凡退して次打者の自分に打席を回せなかった中田が、ベンチで謝ってきたことにも「翔(中田)の心境を考えると本当に申し訳ない…」と気をもんだ。

 そのためには1打席でも早く安打を放って、チーム全体の呪縛を解きたい。28日から楽天3連戦を行うKスタ宮城では昨年7月24日、球宴第3戦で2ランを含む3安打3打点で、自身7度目の球宴で初のMVPに輝いた思い出深い地だ。東日本大震災の復興支援の一環として行われた球宴。稲葉もMVP賞金300万円全額を宮城県スポーツ少年団に寄付した。「東北の皆さんは今も復興に向けて頑張っている。仙台で達成することで少しでも勇気を与えられたら。そういう意味では記録達成にふさわしい球場なのかな」と意気込んだ。

 通算250本塁打にも王手をかけている。過去、2000安打を記念本塁打で決めた選手はいないが、稲葉は「そんなにうまくいったら大ケガするでしょ」。気負いはない。舞台は整った。杜の都で決める。

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2012年4月28日のニュース