中畑監督 薄氷の本拠地初勝利に「勝つってきついね」

[ 2012年4月21日 06:00 ]

<D・神>本拠地初勝利に「疲れた~」と言いながら高木ヘッド(右)に肩をもんでもらう中畑監督

セ・リーグ DeNA3-1阪神

(4月20日 横浜)
 会見場に現れたDeNAの中畑監督は、何度も安どの息を吐いた。横浜スタジアム7試合目で待望の初勝利。ようやく本拠地に大歓声が響いた。地元ファンと喜びを分かち合えた。

 「疲れました。ここでの1勝の重さを感じさせてくれるゲーム。勝つって、いいんだけど、きついね。特にきつかった」。込み上げる感情を抑えるかのように、指揮官はしみじみと話した。中村の2ランでリードを奪い、3度の満塁など再三のピンチを切り抜けた薄氷の勝利だった。

 4年連続最下位のチームを一気に再建するのは難しい。1日の阪神戦(京セラドーム)での初勝利後、中畑監督の自宅には各方面から祝福の花などが届けられた。その中には亀をモチーフにしたお菓子もあったという。同監督は童話「うさぎとかめ」に例え「最後にいい結果になれば最高、理想だね」と言った。

 普段は「俺は寂しがり屋のうさぎちゃん」が口癖。うさぎのようにどんどん突っ走るイメージも強い。だが実際は我慢強く、コツコツ努力するタイプ。現役時代もレギュラーをつかんだのは4年目だ。この日決勝2ランの中村、そして7回2死二、三塁のピンチをしのいだ菊地、8回を抑えた篠原…。3人とも一度は戦力外通告を受けている。いってみれば周回遅れの亀。苦労人がもたらした勝利は、指揮官にとっても格別だった。

 「地元ファンに早く勝利をプレゼントしたかった。ここまで長かった。ファンと喜べて最高でした。でも凡ミスも多いし反省しないと。ホッとしているようでは駄目」。連敗を3で止めたチームは最後方から上位を追走している。5位・巨人とは0・5ゲーム差。まずは目の前のうさぎ、ジャビットの軍団を追い抜く。

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