稲葉 満塁弾&3ランだ!15年ぶり1試合7打点

[ 2012年4月12日 06:00 ]

<ソ・日>5回2死満塁、右越えに本塁打を放つ稲葉

パ・リーグ 日本ハム14-0ソフトバンク

(4月11日 北九州)
 右に左に。日本ハム・稲葉が北九州の夜空に2本のアーチを打ち分けた。まずは7点をリードした5回2死満塁。巽のスライダーを振り抜くと、打球は両翼92メートルと狭い北九州市民球場の右翼席最前列へ。続く7回の第4打席は左翼席に運んだ。

 「球場が狭いので、何点あってもセーフティーリードはない。より集中して打席に入って、しっかり振り抜けました」

 2回の中前打と合わせ3安打7打点2本塁打の大活躍。これでパ・リーグの打撃3部門のトップに躍り出た。それでも頼れるチームリーダーは「チームが勝つことが先決。その中で与えられた役割をしっかりやること」と口を突いたのは、この日もチームの勝利への思いばかりだった。

 北九州には苦い思い出がある。08年4月2日。大隣にプロ初完封を喫した場所だ。「あの思い出しかないから…。打ったイメージもないし、きょう自分でもビックリしているよ」と苦笑いで振り返ったのも無理はない。自身も2三振を含む3打数無安打と完璧に抑え込まれていた。あれから4年。39歳の大ベテランは、苦い思い出を完全に払しょくした。

 1試合7打点は、ヤクルト時代の97年4月16日横浜戦(神宮)以来、実に15年ぶりとなる。そんな稲葉にけん引されるかのように、チームは両リーグ今季最多の18安打14得点と打ちまくった。「チームを勝たせるためにやっている。頼もしい」と栗山監督も目を細める。2000安打まで残り17安打。ヤクルト時代の先輩・宮本にも1本差に迫った。「そっとしておいてほしい」と個人記録には興味を示さないが、着々と大台は近づいている。

 ≪2000安打まで、あと「17」≫稲葉が通算4本目の満塁弾を含む7打点。1試合7打点はヤクルト時代の97年4月16日横浜戦以来の自己最多タイ。これで打率.436、2本塁打、13打点でリーグ打撃3冠に立った。これで通算2000安打までは残り17安打。同じ大記録を狙う宮本(ヤ)とは開幕前の9本差が1本差に縮まり、先に達成しそうなペースだ。

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