村田だぁ~!46年ぶりG日本人の移籍選手チーム1号

[ 2012年4月12日 06:00 ]

<巨・中>8回1死二塁、左越えに2ランを放つ村田

セ・リーグ 巨人5-1中日

(4月11日 東京D)
 打球の行方を確認した巨人・村田が、力強く右手を突き上げた。開幕11試合目でようやく飛び出したチーム今季第1号アーチ。スタンドも、ベンチも総立ちだ。一体となった球場の中心で、背番号25は笑みを浮かべながらダイヤモンドを1周した。

 「打った瞬間ホームランだった。当たりは完璧。東京ドームで1本目が打てて良かった」。

 価値ある一撃。2点リードの8回、1死二塁から小林正の内角スライダーを左翼ポール際に放り込んだ。「うまく反応した。それだけですね」。救援陣を助けるダメ押し2ラン。前日まで開幕から10試合連続で本塁打なし。1リーグ時代の38年春に並ぶ、不名誉な球団ワースト記録に王手をかけていた。打者の延べ人数390人目にして飛び出した一発。負の連鎖を、ようやく断ち切った。

 昨オフに杉内とともにFAで加入した村田へは期待が高い分、結果が出なければ重圧もかかる。試合前の時点で打率・184、3打点。「(本塁打が)出ない、出ない、と言われてプレッシャーもあった」。苦悩から精彩を欠いていた。

 本塁打が出なかった理由を「寒かった。寒さのせいにはしたくないですけど」とはぐらかした村田だったが、移動の時間も惜しんで努力を重ねていた。移動中や遠征先の宿舎などで時間をつくって打撃フォームの映像をチェック。きっかけをつかもうと必死だった。ポール際へのこの日の一撃は、巻かれてファウルになることなく一直線にスタンドに向かった。切れずに伸びたのは理想のポイントで捉えた証だった。

 移籍後初のお立ち台では「ジャイアンツファンの方に喜んでもらえて本当に光栄です」と声を弾ませた。巨人で日本人の移籍選手がチーム1号を放つのは西鉄からトレード移籍した66年の故・田中久寿男氏以来46年ぶり。

 「勝つことを目標としてこの球団に来た。勝つために野球をすることだけを考えていきたい」。03年の横浜時代に放ったプロ1号と同じ東京ドーム左翼席に運んだ自身通算252号のメモリアルアーチ。肩の荷が下りた大砲はこれから本領を思う存分に発揮する。

 ▼巨人・原監督 (チーム1号に)いつか出るだろうというのはありました。1本出て、呼び水として出てくれるといいなと思います。

 ≪球団2番目の難産≫移籍の村田が今季チーム初となる本塁打。巨人が開幕11試合目でシーズン初アーチは、38年春の12試合目に次ぎ、46年に並ぶ球団2番目の難産になった。なお、巨人で移籍選手がチーム1号は6人目で、日本人では46年ぶりとなった。

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