凱旋岩隈を粉砕!ようやく目覚めたG打線15安打9点

[ 2012年3月27日 06:00 ]

<巨・マ>3回2死二、三塁、岩隈(手前)から中適時打を放つム村田

プレシーズンゲーム 巨人9-3マリナーズ

(3月26日 東京D)
 開幕前のラスト試合で、巨人打線にようやく復調気配が漂った。巨人は26日、マリナーズを相手に毎回の15安打を浴びせ9得点を奪った。マ軍先発の岩隈久志投手(30)から初回にジョン・ボウカー外野手(28)のソロ本塁打で3試合22イニングぶりに得点を刻むと、3回には村田修一内野手(31)が2点適時打を放つなど新戦力がけん引。オープン戦では12球団中11番目のチーム打率・212と低迷した打線が、開幕4日前にして火を噴いた。

 終わりよければすべて良し。2試合連続零敗を喫していた打線の中心でひときわ輝いた村田は、初めて立った東京ドームのお立ち台で誓いを新たにした。

 「順調な仕上がり。最善の準備ができた。ジャイアンツの一員として日本一を目指して、30日から144試合、三塁でフルイニング出場できるよう頑張ります」

 同点の3回に真価が発揮された。3番・長野の送りバントで広げた1死二、三塁の好機に、4番の阿部が遊飛に倒れた。そのまま無得点なら一気に流れを失う場面。だが、続く5番は追い込まれてからのフォークをはじき返した。勝ち越しの2点中前打。「走者を還すことだけを考え、コンパクトなスイングを心掛けた」。不動の4番として長打だけを求められた横浜時代にはなかった村田の思考。阿部、村田の4、5番が「2枚腰」で得点を生み出すのが12年型の打線の特長だ。

 今季のチームの鍵を握る村田が勢いづけた打線は4回に単打4本を集中し2点を追加。6回は一、三塁から重盗も仕掛けて貪欲に点を奪い続けた。一塁走者として盗塁を記録した村田は「スタートを少し遅らせうまく対応できた」。統一球導入で得点力が激減した昨季の反省を生かし、一発に頼らない波状攻撃。開幕戦での5番までの上位打線は、固定された親善試合2試合のメンバーで挑む可能性が極めて高い。

 3番打者に送りバントを命じた原監督は言った。「この2試合はペナントと同じ戦い方と決めていた。本来のジャイアンツの野球と理解していただいたら幸いです」。オープン戦では13安打6得点が最高だった打線が息を吹き返した。「本来の打線が、今季初めて見られた。きょう見る限り、(今週の)金曜日には三分くらいの花が咲く感じがする」。開幕まであと3日、大型打線の開花は近い。

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2012年3月27日のニュース