場外戦勃発…“資料流失”関与否定の清武氏に巨人が反論

[ 2012年3月19日 06:00 ]

清武英利氏

 巨人の契約金超過問題が18日、昨年11月に巨人の球団代表を解任された清武英利氏(61)と球団側の対立の再燃に発展した。

 この日、読売新聞が巨人の内部資料流出についての検証記事で、内容確認できる人物の1人として清武氏の名前を挙げた。その清武氏は共同通信の取材に応じ、関与を否定。「編成本部と総務本部は、はっきり分かれている。僕は編成本部を仕切っていたわけだから(過去の契約についての)資料は回ってこない。金庫の場所も知らないし、アクセスしたこともない」。さらに巨人・桃井恒和球団社長が「(内部資料に)アクセスできるのは経理部長以外に球団社長と球団代表」と発言したことに「狙いをこちらへ向けて、僕に対して矢を射ている。非常に不愉快。朝日(新聞)の報道とは無縁」と不快感を示した。また、最高標準額を超える契約問題について、「自分が主導した」とする05年以降は「一度も外れたことはない」と語っている。

 これが午後10時14分に配信されると、巨人側も素早く反応。配信から約1時間30分後の午後11時52分、「共同通信の清武氏インタビュー記事に対する反論文について」との文書を報道各社にファクス送信。「清武氏の発言内容には明らかなウソがある」と真っ向から反論した。その中で、巨人では球団代表が選手との契約交渉、調印などを直接担当し、代表が押印した契約書類が金庫に保管されること。契約更改の際は過去の契約書類などの写しを経理部長から取り寄せ、出来高払いの状況など必要事項を確認する――などと説明した上で、「したがって、清武氏が“僕は編成本部を仕切っていたわけだから(過去の契約についての)資料が回ってこない”と述べているのは、真っ赤なウソである」と切り捨てた。

 清武氏と巨人は互いに損害賠償を求め、東京地裁で係争している。今回の騒動が裁判の行方にも大きな影響を与えることになりそうだ。

 ≪契約金騒動の経過≫

 ▽3月15日 朝日新聞が巨人の内部資料などを基に97~04年度に入団した6選手の契約金額が、阿部の10億円、野間口の7億円など最高標準額を超過する計36億円だったと報じた。

 ▽同日 巨人の桃井球団社長が反論会見を開き、朝日新聞に抗議書を送付したと発表。また04年ドラフト自由獲得枠で入団する前、野間口に総額200万円を支払ったことを明かした。

 ▽16日 朝日新聞が98年に入団した二岡(現日本ハム)が所属していた近大野球部の当時の監督に対し、巨人が将来の業務委託料として退職後に2000万円支払う覚書を交わしていたと報道。

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2012年3月19日のニュース