川崎 開幕メジャー当確弾「あのボールが欲しいぜ!」

[ 2012年3月17日 06:00 ]

<ホワイトソックス・マリナーズ>練習試合で、右越えに本塁打を放つマリナーズ・川崎

練習試合 マリナーズ4-3ホワイトソックス

(3月15日 グレンデール)
 メジャー当確弾だ!マリナーズの川崎宗則内野手(30)が15日(日本時間16日)、ホワイトソックスとの練習試合に2番三塁で出場し、3回無死から今季の日本人選手1号となる初本塁打を放った。

 初の三塁守備では1失策を記録したものの、首脳陣から合格点をもらった。「カワサキ」が攻守に存在感を見せつけ、開幕25人枠入りへ、当確ランプをともした。

 角度よく飛び出した打球が右翼フェンスを越えるのを見届け、川崎はわずかにスピードを落とした。ベンチに戻ると「あの(ホームラン)ボールがほしいぜ!」と絶叫。ハイタッチしたナインからは口々に「ニンジャ」と呼ばれた。俊敏な動きを持つ川崎ならではの愛称。試合後は「ホームランの後が悪かった」と喜ぶことはなく、2三振の反省だけが口を突いた。

 オープン戦の8安打は全て単打。ただ、クリス・チャンブリス打撃コーチは「ラインドライブのかかった強い打球を打てるのには驚かされた」と練習時から力強い打球を飛ばす川崎をそう評していた。昨季9勝を挙げた右腕ハンバーの内角直球を仕留めたパンチ力を示した意味は大きい。相手野手も前に守ることはできず、安打ゾーンを広げることになるからだ。

 キャンプイン当初は、タイミングの取り方に悩み、フリー打撃でも野手の頭を越えるのが精いっぱいだった。師事するイチローにアドバイスを求め、自らも工夫、研究を重ねて対応力をつけてきた。日本時代の昨年は公式戦わずか1本、通算でも27本だった男が、紅白戦から数えて14試合、36打席目での一発。今季日本選手全体の初アーチで、開幕メジャーに当確ランプがともった。

 守備では初めて三塁に入った。中堅手グティエレスが右脇腹の筋断裂で開幕絶望となっており、正三塁手フィギンズを中堅に回すことを首脳陣は検討。「三塁」は日本開幕戦に向けた先発テストの意味合いもあった。6回1死一塁から、強烈なゴロをはじいて失策を記録したが、併殺も含め3つのゴロを処理。ロビー・トンプソン・ベンチコーチは「(失策は)トップスピンのかかった難しい打球。全体的にいい。オープン戦でも大丈夫」と太鼓判を押した。

 二塁、遊撃と三塁の違いについて川崎は「ないです。一緒です。野球ですから」と言った。控え野手争いからレギュラー争いへ。マイナー契約から出発した川崎はもはやマリナーズに欠かせない存在になってきた。

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2012年3月17日のニュース