沢村に“喝!”の声…体重増で意識のバランス欠き4失点

[ 2012年3月14日 06:00 ]

<オ・巨>5回、坂口にゴロで足元を抜かれる巨人・沢村

オープン戦 巨人0-4オリックス

(3月13日 京セラD)
 開幕へのステップとはいかなかった。巨人・沢村は厳しい表情で6回4失点のマウンドを振り返った。「進んだも何もない。課題ばかりが残った」。自らに怒りをぶつけるように、次第と語気は強まっていった。

 初回は3者連続三振、2回も3者凡退と立ち上がりは最高だった。3回1死から斎藤を打ち取った当たりが遊撃後方へ。突っ込んだ左翼のボウカーがグラブに当てながら落球(記録は二塁打)。不運な形で走者を許すと一変した。この回4長短打を集中され、捕逸も重なり一挙3失点。直球を狙い打たれ「あまりに何も考えていなかった。阿部さんのサインの意図とか…」。7キロ増の体重97キロと肉体改造した結果、この日はフォームのバランスだけに意識が偏ったと猛省。頼れる沢村と、不安定な沢村が同時に顔をのぞかせた。

 期待値が高いからこそ、2年目に求めるハードルも高い。原監督は「うちの右のエースなので。こんなものでは困りますね」と両断。川口投手総合コーチも「あいつは“喝!!”ですね。得点圏に行ってから警戒もせず。淡泊な性格が出ていた」と手厳しかった。日本代表として臨んだ10日の復興支援試合で1イニング29球を投げ、中2日で臨んだ。「これまでは内容を意識したが、これからは結果の伴う投球を」とシーズンモードの投球を心掛けた。予定した6回、102球は投げ抜いたが、31日の開幕2戦目(東京ドーム)先発へは課題を残した。

 「本番で結果を残すのが全て。照準合わせて逆算して、練習から目的意識を持っていきたい」と最後は顔を上げた沢村。胸に宿る悔しさは勝負の2年目への肥やしにするしかない。

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2012年3月14日のニュース