JR東日本東北・妻沼先制2ラン 前日の無安打無得点が薬に

[ 2012年3月14日 06:00 ]

<富士重工・JR東日本東北>3回1死二塁、右越えに2点本塁打を放ち、ナインにハイタッチで迎えられるJR東日本東北・妻沼

東京スポニチ大会Dブロック JR東日本東北3―2富士重工

(3月13日 神宮)
 社会人野球の東京スポニチ大会は13日、3会場で予選リーグ8試合が行われた。神宮では前日にノーヒットノーランで敗れたJR東日本東北が、2年目の妻沼理史外野手(23)の2点本塁打などで富士重工を1点差で振り切った。大田では昨年の優勝チーム・JX―ENEOSが延長10回のタイブレークを制し、大会2連覇に望みをつないだ。14日も予選リーグ8試合が行われ、決勝トーナメントに進出する4チームが決まる。

 会心の一撃だった。妻沼が3回1死二塁から右翼席へ先制弾。「打った瞬間、入ったと思った。後ろにつなぐ意識だった」と納得の表情を浮かべた。

 ノーヒットノーランを喫した12日のJFE東日本戦後は、打撃練習ではなく4失策を反省して3時間にも及ぶ猛ノックが課せられた。藤井省二監督からはカミナリも落ちた。それが選手の危機感を生み、この日は7安打3得点。妻沼は「活が入って気合が入りました」と振り返った。

 中央学院大から加入した直後の昨年3月に東日本大震災が拠点を置く宮城県仙台市を直撃。広島キャンプから戻った後は、「入ったばかりで何も分からないまま」と石巻市などの駅舎の清掃活動を行う毎日だった。それでも5月の練習再開後は、思い切りの良さを買われて昨秋の都市対抗でも「9番・中堅」で先発出場。前エースの森内(日本ハム)が完全試合を達成した三菱重工横浜戦では決勝打を放った。

 昨秋の都市対抗では4強。今季はその先を狙う。「勝つことで被災地に恩返ししたい」。今季もたくさんの白星を復興を目指す地元に届ける。

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2012年3月14日のニュース