石巻工 甲子園を背に選手ら黙とう「あの時の状況が走馬灯のように」

[ 2012年3月11日 17:21 ]

地震発生時間に合わせ、甲子園球場の外で黙とうする石巻工の選手ら

 春の選抜高校野球大会に21世紀枠で出場する石巻工業高(宮城県石巻市)の選手や監督ら34人が11日、東日本大震災の発生時間に合わせて甲子園球場の外で黙とうした。

 この日球場ではプロ野球のオープン戦が行われていたが、午後2時45分ごろ「黙とうをささげます」とのアナウンスが流れると声援や音楽もやみ、球場は静寂に包まれた。

 石巻工の選手らは球場を背にして被災地の方角を向き、静かに目を閉じて哀悼の意を表した。震災で伯母といとこを失った松本嘉次監督(44)は「黙とうの間、あの時の状況が走馬灯のように浮かんできた」と語った。

 グラウンドもヘドロにまみれ、野球道具も流された。しかし、地元・石巻の人たちに支援を受けて昨秋の宮城大会で準優勝し、21世紀枠での大会出場を勝ち取った。

 エースの三浦拓実投手(17)は「自分たちは震災を経験して強くなったと思う」と振り返った。悲劇を乗り越えつかんだ夢の舞台。松本監督は「声援を無駄にしないように暴れまくりたい」、主将の阿部翔人捕手(17)は「場所は離れているが心は一つ。地元のために頑張りたい」と表情を引き締めた。

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2012年3月11日のニュース