山崎エール弾!第二の故郷・仙台に「元気な姿見せたい」

[ 2012年3月11日 06:00 ]

<オ・中>初回2死一塁、先制2ランの中日・山崎は山本昌の出迎えを受ける

オープン戦 中日10-0オリックス

(3月10日 京セラD)
 東北の皆さん、タケシは元気です――。中日の山崎武司内野手(43)が10日のオリックス戦で初回にオープン戦2号となる先制2ランを放った。昨季限りで楽天を退団したが、7シーズン過ごした仙台への思いが頭から消えることはない。5月22、23日の楽天との交流戦(Kスタ宮城)で元気な姿を見せるためにも、まずは開幕4番を目指す。

 勇気、希望、感謝。山崎が美しい放物線でさまざまな感情を表現した。初回2死一塁、中山の真ん中低め直球を強振。打球は左翼席に吸い込まれた。

 「元気な姿を見せられているなら、今のところはうれしい。1年たっても、忘れずに思い続けていたい1年になる」。東北に届けとばかりに放った豪快な一発は、復興への歩みを続ける被災者への熱いメッセージだった。

 未曽有の大災害から、11日で1年。「去年は野球ができる状況ではなかった」と振り返る。当時はヤクルト2軍練習場の埼玉・戸田球場にいたため、直接の被害は受けなかったが、4月8日にチーム全員で被災地を訪問した際、変わり果てた「第二の故郷」に言葉を失った。移動のバスを止めさせ、沿道の人々とも涙ながらに握手。以降も復興活動に積極的に携わってきた。

 7シーズンを過ごした仙台を離れ、古巣・中日に復帰した43歳の大ベテランにとって、大きなモチベーションとなっていることがある。「元気な姿を交流戦(5月22、23日)のKスタで見せる。それが自分の1つの励み」。3回1死一、三塁でも左翼線に適時二塁打を放ち、2安打3打点と4番の役割を果たした。一塁のポジションを争うブランコが5打数無安打に終わったのとは対照的。東日本大震災復興支援試合の日本代表ヘッドコーチを務めた高木監督は開幕4番について「まあ、山崎だね」と明言した。

 「イーグルスのメンバーに先頭に立ってほしいし、田中にやってほしい思いがある。楽天が先頭に立ち、他球団がそれについて行く形にしたい」

 今も心は東北とつながっている。楽天ナインと同様に、山崎も立ち止まるわけにはいかない。

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2012年3月11日のニュース