セも予告先発導入…とりあえずファンサービス一環で

[ 2012年3月9日 06:00 ]

予告先発問題などが話し合われたセ・リーグ臨時理事会

 セ・リーグは8日、東京都内で臨時理事会を開き、先発投手を事前に告知する「予告先発」を今季から導入することを決めた。交流戦を含む144試合で実施し、先発投手の発表は既に導入しているパと同様に試合前日に行う。クライマックスシリーズ(CS)ではパが行っているが、セは実施しない。日本シリーズは従来通り当該球団同士の判断とし、来季以降も継続。今季終了後に集客効果などを検証する。

 セにとって、予告先発の導入は危機感の裏返しでもあった。昨季まで2年連続で観客動員数が減少。佐藤良平理事長(中日球団代表)は「6球団力を合わせて取り組めるものが何かあるのではと討議したのが予告先発だった」と説明した。

 1月下旬の代表者レベルのフリートークで案として上がって議論がスタート。1日の理事会で阪神が慎重な姿勢を示して結論を先送りしたが、提案から1カ月余りで導入が決まった。果たして集客にどれだけ効果があるか。具体的データを持っての議論はされずに結論に至り、阪神・四藤慶一郎球団専務は「試合前の駆け引きなど楽しみもあるのは事実。100%他の球団のおっしゃることに満足してはないが、情報提供が新しいファン開拓になるのは分かる。ここは、まとまるべきということ」と話した。

 佐藤理事長は導入の理由として(1)情報提供によるファン層の拡大(2)先発隠しのために他の投手の調整へ影響をなくすこと(3)テレビ地上波放送減少の中でメディアの新たな企画の期待――を挙げた。(1)について、94年に広島と巨人が毎週日曜日に実施したが集客に直結したとのデータはなかったが、佐藤理事長は「デジタル化の今と当時と時代が違う」。ネット時代の効果を期待しつつ「反対意見はなかった。野球に詳しくない方に情報を提供しファンとの距離をより近くしたい」。発表時間などの運用方法はパに準ずる方針で、セ6球団によるファンサービスの一環で導入が決まった。

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2012年3月9日のニュース