由伸 補欠ご免弾!対外試合初安打が本塁打

[ 2012年3月7日 06:00 ]

<オープン戦 巨・広>3回無死、高橋由は左越え先制ソロを放つ

オープン戦 巨人5-1広島

(3月6日 マツダ)
 少しだけ笑みがこぼれたのは、三塁ベンチ前のハイタッチを終えた時だった。3回、巨人・高橋由がバリントンの直球を左翼に運ぶ先制ソロ。オープン戦初安打となる一発は逆襲の合図だった。

 「追い込まれていたし、手を出さないといけないから。思ったよりも飛びました。うまく(バットに)乗ってくれた」

 ここまで練習試合を含めた対外試合に7試合出場し、10打数無安打だった。それ以上に先発出場がこの日で2試合目という事実が、ベテランの厳しい立場を示していた。

 キャンプイン前に原監督に「左翼一本で勝負してくれ」と告げられた。外野の3枠のうち長野は確定。中堅を松本哲、大田が争い、高橋由は新外国人のボウカーと左翼を争う構想だった。そのライバルが実戦開始から好調を持続。だが、控えに甘んじる気はない。野球人生でレギュラーを張り通してきた意地があった。

 千葉・生浜小4年から野球チームに入団。いきなり6年生チームに加わった。「小学校の最初は補欠だったけど、その後は中学も高校も1年からレギュラーだったな」。23本の東京六大学通算最多本塁打記録をマークした慶大まで、常に中心打者。「まあ、しっかりやっていくよ」。キャンプから秘めていた闘志は、単なる1本の本塁打ではなく、2試合連続零敗だった打線が11安打を放つ起爆剤にもなった。

 ここに来て中堅候補の松本哲、大田が伸び悩み。このため当初は右翼固定だった長野が昨年までの中堅に回り、高橋由が右翼に入った。原監督も「しっかりと仕上げてくれるでしょう」と存在感をあらためて認めた。

 腰を痛めた09年以外、開幕スタメンを外れたことがない。「結果はあったほうがいいからね」。4月で37歳。生え抜き最年長の勝負はこれからだ。

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2012年3月7日のニュース