十亀 開幕ローテへ臨機応変投球 菊池を一歩リード

[ 2012年2月24日 06:00 ]

<広・西>3回をパーフェクトに抑えた西武・十亀

練習試合 西武5―2広島

(2月23日 天福)
 西武のドラフト1位・十亀剣投手(とがめ・けん、24=JR東日本)が23日、初の対外試合となった広島との練習試合(天福)で3回をパーフェクト。直球は本来の制球力を欠いたが、変化球を効果的に使って危なげない投球を見せ、開幕ローテーション入りを猛アピールした。

 直球が思い通り操れなくても慌てない。引き出しの数と修正能力の高さ。十亀が初の対外試合で先発としての適性を見せつけた。

 「最初は球が浮いてしまったけど、少しずつ修正することができた。変化球でも意外とストライクが取れるんです」

 立ち上がりは直球の制球力を欠いた。だが、ここで崩れないのが即戦力たる所以(ゆえん)だ。すぐに変化球主体に切り替え、先頭の天谷をスライダーで中飛。2死からバーデンには初球から大胆に105キロのカーブを投じてストライクを奪うと、最後は外角低めのスライダーで空振り三振に仕留めた。

 なかでもシンカーに自信をつかんだ。2回に末永、3回に広瀬から空振り三振を奪い「右打者にシンカーで三振を取れたことが一番良かった」と収穫を口にした。キャンプ2日目の初ブルペンでは、捕手の後ろから、次は背中から、と渡辺監督に間近で観察された。並の新人なら腕も縮むが「緊張感があってより良い練習になりました」と強心臓ぶりも披露した。

 当初は22日の広島戦(南郷)で先発予定だったが雨天中止となった。初の対外試合が順延となっても「公式戦で雨が降ることもありますから」とさらり。30メートルの距離で強めのキャッチボールを行いスライド登板に備えた。社会人時代は登板前日に必ずブルペンに入っていたが、「体に余計な疲れをためずに切れを保っておきたいので」と自ら工夫して結果を出した。

 涌井、岸、西口、石井、牧田に続く開幕ローテーション6番手を菊池らと争う。渡辺監督は「カウントを悪くしても崩れない。修正能力があるし、何と言ってもマウンドの雰囲気がいい」と一歩リードを認めた。それでも、十亀に慢心はない。「まだ相手に研究されていない。研究されてからどういう投球ができるかが大事」。まだ競争は始まったばかり。越えるべき壁をしっかり意識している。

 ▼ヤクルト・角富士雄編成部課長(十亀について)十分ローテーションに入る力がある。右打者にとっては怖い投手だし、落ちる球が効果的だった。

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2012年2月24日のニュース