宮国、3回4K完全!虎狩り19歳が開幕ローテ名乗り

[ 2012年2月20日 06:00 ]

<巨・神>地元・沖縄での凱旋登板で3回無失点の好投を見せた宮国

オープン戦 巨人1-0阪神

(2月19日 沖縄セルラー)
 2月の伝統の一戦で、沖縄の星が躍動した。巨人の2年目右腕・宮国椋丞投手(19)が19日、阪神とのオープン戦に初先発し、3回打者9人をパーフェクトで4奪三振。オープン戦ながら初勝利を挙げた。両親や母校・糸満の関係者らが駆けつけた凱旋登板で圧巻の投球を披露し、開幕ローテーションに名乗りを上げた。
【試合結果】

 試合後の会見。重圧から解き放たれた19歳が、はにかみながら振り返った。「次から次へと凄い打者が出てきて不安だったけど、自分の投球ができたと思う」。金本ら主力が並ぶ猛虎打線をわずか28球で3回パーフェクト、4奪三振。期待を抱かせるには十分すぎた。

 堂々たる投球。「きょうは直球中心に組み立てができた。そこが大きく成長できた」。打者9人全てに初球は直球。初球打ちの2人を除く7人からストライクを奪った。3ボールも緊張していた初回先頭の平野のみ。「ストライク先行で投手有利のカウントに持っていく、投球から試合をつくる」というテーマを緊張のマウンドで体現した。

 17日、視察に訪れていた長嶋茂雄終身名誉監督(76)から注目する選手の一番手に指名され「フォームとかは気にせず、自分の球を思い切り投げなさい」と金言を授かった。1月の自主トレで左足首を捻挫し、キャンプイン直後には発熱。大先輩からの心温まる言葉は、周囲の期待や視線に戸惑い投球フォームを崩していた19歳の青年の背中を優しく押した。

 2回はプロ21年目の金本をフォークで投ゴロに打ち取る。3回1死では清水を96キロのスローカーブで空振り三振に仕留め、続く俊介はスライダーで3球三振。「(フォームは)考えなかった。長嶋さんから言われたように思いっ切り腕を振って投げることを意識した」。無心で腕を振ったからこそ、球速は130キロ台後半ながら回転の利いた球が行った。川口投手総合コーチも「気分が悪くなるくらい緊張していて、その重圧を力に変えられたのは良かった」と大きくうなずいた。

 地元・沖縄、それも伝統の一戦で出した最高の結果。「いい投球を見せられて良かった」。阿部は「凱旋登板でいい投球ができるから、あいつはちょっと“持ってる”かも」と笑った。次回は25日のDeNAか26日のロッテとのオープン戦(ともに沖縄セルラー)に登板予定。先発6番手を狙う19歳は一歩ずつ、ゆっくりとだが、着実にスターへの階段を上っていく。

続きを表示

この記事のフォト

2012年2月20日のニュース