増渕、3回7K!“ドラゴンボール”に手応え

[ 2012年2月18日 06:00 ]

<ヤクルト・韓国三星>3回を投げ1失点の増渕

練習試合 ヤクルト3-3韓国サムスン

(2月17日 浦添)
 高めのボール球。だが竜のごとくホップする直球に打者が手を出す。ファウル。これが辰年生まれのヤクルト・増渕「竜」義が投じるドラゴンボールだ。「その名前いいですね。それでいきましょう」。かめはめ波以上に手応えはバッチリだ。

 韓国サムスンとの練習試合に先発し3回7奪三振。初回に1失点も、アウト3つは全て三振で奪った。3回も3者三振。最速は144キロに達した。ドラゴンボールが最も効果を発揮したのは初回、2死満塁で打者は7番・丁亨植(ジョンヒョンシク)。1ストライクから真ん中高めの直球、143キロのボール球に相手は振り遅れてバックネットへのファウルだ。最後はフォークで三振。「直球の伸びが去年と比べ数段いい。それでカウントを稼げれば」。この日はボール気味の高めの直球で5度のファウルと1つの空振りを奪った。

 7勝11敗の昨季は先発に定着できなかった。「7回まで投げられる肩をつくる」と、キャンプ初日から5日連続でブルペン入り。計590球を投じ、すでにその数は1000球を超える。オフに座禅で精神面も鍛えた。小川監督の「増渕はキャンプ中もずっといい。真っすぐの球威も非常にいい」の一言が、成果の全てを物語っていた。

 人気漫画のドラゴンボールは、そのボールを7つ集めるとどんな願いもかなう。「1年間ローテーションを守る」との右腕の願いも、7つの三振でかなうかもしれない。「立ち上がりの失点はダメですよね」と増渕。今後も逆境に必ず直面する。その時に右腕を救う球。それがドラゴンボールだ。

 ◆ドラゴンボール 鳥山明さんによる人気漫画。週刊少年ジャンプ(集英社)で84年から約10年、519話が連載された。世界中に散らばり、7つ全てを集めると1つだけ願いがかなう秘宝ドラゴンボールを探しながら、主人公の孫悟空らが活躍する。亀仙人、クリリン、ピッコロ大魔王などのキャラクターも登場。テレビアニメも人気を博した。

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2012年2月18日のニュース