3・11復興マッチ!沖縄・那覇で東浜VS島袋

[ 2012年2月14日 06:00 ]

復興支援試合で東浜(左)と島袋の“甲子園V腕”対決が実現する

 東都大学野球の亜大と中大が東日本大震災から1年となる3月11日に、沖縄セルラースタジアム那覇で復興支援試合を行うことが13日、分かった。当日はともに沖縄出身で、亜大のエース・東浜巨投手(3年)と中大・島袋洋奨投手(2年)の甲子園V腕対決が濃厚だ。両大学は近日中に全日本大学野球連盟に試合開催を申請予定。承認されれば、入場料の全額を義援金として被災地に送るプランも検討されている。

 甲子園を沸かせた沖縄のエース2人が、特別な試合に臨む。高校時代に全国制覇を 成し遂げた亜大・東浜と中大・島袋。3・11に地元で凱旋登板を果たすことになった。

 沖縄県関係者は「2人が沖縄で試合をすることになれば、多くの方に集まってもらえると思います」と興奮気味に語った。手の内を隠す意味合いもあり、同じリーグのチームがオープン戦で戦うことは異例。しかし今回は、東日本大震災の復興支援という大きな目的がある。カードも、先発投手も、まさに沖縄で開催するのにふさわしいマッチアップとなる。

 東浜は沖縄尚学時代の08年春の優勝投手。島袋は10年に興南で春夏連覇を成し遂げた立役者だ。大学での直接対決は昨年3度あり、島袋の2勝1敗。初の投げ合いとなった5月13日の試合後には「東浜さんと投げ合えて良かった」(島袋)、「注目してもらえるのはうれしいし、大学野球も盛り上がる」(東浜)と話すなど、互いを認め合いながら成長している。

 東浜は昨秋のリーグ戦後に右肘痛に見舞われた。12月の大学日本代表候補合宿を辞退したが、現在は順調に回復。今月に入って投球練習を再開した。3月10日に行われる復興支援ベースボールマッチでは、大学選抜の一員として社会人選抜相手に登板。沖縄では連投で臨むことになる。

 今回の試合の入場料は全額、被災地に義援金として送ることが検討されている。さらに地元の子供たちを対象とした野球教室も開催予定。日曜日だけに多くの観客も見込まれる。両投手の地元での投げ合いは高校時代の08年7月12日、県大会準決勝以来。東浜と島袋が成長した姿を沖縄で披露し、投球を通して被災地にエールを送る。

 ▼大学球界の被災地支援活動 昨年は全国の各リーグ戦会場で義援金を呼び掛ける募金箱を設置。東京六大学では春季リーグ戦で425万円が集まり、東都大学野球は開幕前の3月に300万円の義援金を送った。6月の全日本大学野球選手権では神宮、東京ドーム合わせて56万円が集まった。また、今夏には東北地方で東京六大学選抜と仙台六大学選抜によるチャリティー試合が予定されている。

 ▼東浜の甲子園VTR 沖縄尚学のエースとして3年時の08年センバツに出場。5試合で41イニングを投げ、防御率0.66。初戦の聖光学院(福島)戦では最速147キロを計測するなど7安打完封。決勝の聖望学園(埼玉)戦では6安打6奪三振で完封し、同校を9年ぶり2度目の全国制覇に導いた。3年夏は沖縄県大会決勝で浦添商に敗れ、甲子園出場はならなかった。

 ▼島袋の甲子園VTR 沖縄・興南のエースとして2年春夏(09年)、3年春夏(10年)の4度出場。2年時はともに初戦敗退。3年春は5試合で46イニングを投げ、防御率1.17。決勝の日大三(西東京)戦で延長12回、198球を投げ抜き初優勝。夏は6試合51イニングで防御率1.94。決勝戦では東海大相模(神奈川)相手に13―1で大勝し、史上6校目となる春夏連覇を達成した。

続きを表示

この記事のフォト

2012年2月14日のニュース