岩隈、新天地で第一歩「ちょっとビビってます」!?

[ 2012年2月13日 06:00 ]

マリナーズのユニホームに身を包み、キャンプインした岩隈

 マリナーズの岩隈久志投手(30)が日本選手の先陣を切って、12日(日本時間13日)にキャンプインした。昨季は右肩の故障もあり6勝に終わったが、新天地ではローテーションの一角として期待されている。成功の鍵となるのは、登板間隔からボール、マウンドなどさまざまな環境の変化への適応力。WBCなど国際舞台でも結果を残してきた岩隈の考えとは――。(聞き手・奥田秀樹通信員)

 ――昨年までは2月1日がキャンプインだった。

 「変な違和感はありますね。大丈夫かなと。自分の中でちょっとビビっています」。

 ――日本とは違い、球数も制限される。

 「(僕の場合)ブルペンで投げても実際、練習にはならない。肩さえできてバッターが立てば、気持ちが入り自分の感覚になる、その感覚を早くつくれるようにしたい」

 ――シーズン中の登板間の調整法も変わるが。

 「僕は球数を投げないといけないタイプではない。基本的にはキャッチボールで十分。ブルペンに入らなくても投げられる。投球練習はチーム(の方針)に合わせるし、2日前に1度投げられれば良いかな。球数は40~50球くらい。(心配は)疲れの取り方ですよね。中4日でいかに疲れを取るのか。オープン戦期間に取り組みたい」。

 ――滑るといわれるメジャー球の感触は。

 「変な感じはない。投げやすいし、ボールが伸びる感じがする。気候が乾燥しているからかな。どちらかというと動かしやすい。曲がるし、落とすのも難しくはない」。

 ――マウンドは日本より硬いといわれるが。

 「3種類ぐらい持ってきました。日本で使っていたスパイクは歯も多くて長い。引っかかったりもすると思うので、歯を削るかスパイクを替えるか。まずは歯の感触を確かめたい。(他の選手は)苦労していると聞いたので、用意して確認しながらやっていきたい」

 ――少ない球数で打ち取るのがスタイル。グレグ・マダックス(通算355勝。現レンジャーズGM特別補佐)は78球で完投したことがある。

 「それが理想ですね。力だけではなくコントロールや、ボールを動かしたり(ボールの)切れであったり。3球以内で打ち取る組み立てができればいい。そのために、勝負する1球をどこで使うかを考えますね。(あとは)初球でファーストストライクを取るのが一番の基本」。

 ――決め球にはフォークがある。他に三振を取る球種については。

 「フォーシームですね。メジャーの選手にしてみれば僕らは外国人。フォームも少し違うし(リリースポイントが)見えづらい部分があるので打ちづらいとも思う。スピードではなく、そういうところを生かそうかなと」

 ――メジャーだと、ボールを動かす投手は「バックドア(左打者の外角ボールからスライダー回転で入れる球)」や「フロントドア(左打者の内角ボールゾーンからシュート回転で入れる球)」など、ベースの端を狙う配球がある。

 「左打者相手に、フロントドアのツーシームは投げたことはないですね。練習して覚えたらいいかな。武器になれば使いたいですね」

 ――メジャーでは強振してくる打者が多い。

 「力と力の勝負をしたい気持ちはある。メジャーの映像をテレビで見ていると、こんな打ち方できるのかとか、これで本塁打になるのか、と思いますね。自分が投げている姿を想像した時に“やばい”とも思うけど、だからこそ面白い」

 ――昨年まで、日本ハムのダルビッシュ投手(レンジャーズ)との対決がファンを魅了してきた。同地区なので、メジャーで投げ合う可能性もある。

 「うれしいですね。ダルは物凄いものを持っている。ぜひまた投げ合いたいですね」

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2012年2月13日のニュース