前評判全米１位のダル　無言の渡米　ロス近郊で調整へ

レンジャーズのダルビッシュは自主トレのため成田空港から渡米する

　Ｙｕ　ａｒｅ　Ｎｏ・１！レンジャーズのダルビッシュ有投手（２５）が１０日、成田空港発の航空機で渡米した。茶系の眼鏡をかけ、グレーの長袖Ｔシャツに青のジーンズとカジュアルな格好。報道陣からキャンプへの意気込みを問われたが、足を止めることはなかった。その熱い闘志を胸に秘めながら表情を変えずに無言で機内に乗り込んだ。

　「世界中の誰もがＮｏ・１はダルビッシュと言ってもらえるようになりたい」。１月２４日の会見で語った言葉が、米紙のランキングで現実となった。米国唯一の全国紙「ＵＳＡトゥデー」は９日付で「今季大リーグで名前を知っておくべき１００選手ランキング」を掲載。昨季地区シリーズ初戦で先発を任されたムーア（レイズ）ら、各球団の有望若手選手がズラリ並ぶ中、ダルビッシュは１位にランクされた。同ランキングの日本人選手１位は０８年の黒田（当時ドジャース）以来だ。同紙はメジャー初年度ながら、すでにエース級の力量と評価し「ロック界のスターのようなダルビッシュがもし評判通りの力を発揮できれば、王者にふさわしいチームで素晴らしい選手になる」と絶賛。和田（オリオールズ）が２８位、岩隈（マリナーズ）が５０位に入る中、堂々の１位選出だった。

　その持てる力を本場で存分に発揮すべく、ダルビッシュは今後はロサンゼルス近郊など温暖な西海岸で調整予定。時差ぼけ解消など体調を整え、２３日（日本時間２４日）開始のキャンプに備えアリゾナ州サプライズへ向かうとみられる。「ファンの方々が変わらず応援してくだされば間違いなくいい成績を残せると思う」。Ｎｏ・１の称号を得ての旅立ち。その評価が本物であることを証明する一年が始まる。

　▽「注目すべき若手１００選手」　ＵＳＡトゥデーが９７年から始めた名物企画で、今年が１６年目。正式名称は「Ｔｏｐ　１００　ｎａｍｅｓ　ｙｏｕ　ｎｅｅｄ　ｔｏ　ｋｎｏｗ」（名前を知っておくべき１００選手）。対象は新人王資格を有している選手、あるいは前年成績（投球回もしくは打数）がメジャーよりマイナーの方が多かった選手。ダルビッシュに次ぐ今年の２位は２２歳左腕のムーア（レイズ）、３位は３拍子そろった三塁手として期待される２２歳のローリー（ブルージェイズ）。